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ベースの品質が高くスペシャルティコーヒーの“優等生”とも言うべき生産国コスタリカ。 恵まれた「生産環境」と優秀な生産者による「作りの良さ」によって生み出されるコーヒーは、バランスに優れながらもはっきりとした味わいや華やかな香りを楽しむことができます。
1,800 円(税込1,944 円)
1,750 円(税込1,890 円)
2,100 円(税込2,268 円)
小規模生産者たちがさまざまな精製方法や多品種の栽培にチャレンジするコスタリカ。 多様な風味のコーヒーを楽しめる産地ですが、コスタリカ産コーヒーの基本のおいしさは、 ・とてもクリーン ・しっかりとした柑橘の酸 ・しっかりとした質感 ・ほのかなフローラル これらにあります。 同じ中米の生産国グァテマラと同様、バランスに優れたマイルドな味わいが特徴的ですが、コスタリカはよりしっかりとした質感や、はっきりとした味が表れやすい産地です。
コスタリカは中央アメリカの南部に位置する国です。北にニカラグア、南東にパナマと国境を接しており、南は太平洋、北はカリブ海に面しています。 1949年に軍隊を廃止して教育予算を厚くしたことにより、バナナ・コーヒーを中心とした農業国から工業国へと転換。教育水準の高まりと共にコーヒー生産者の知識・技術水準も向上し、特にスペシャルティコーヒー市場の誕生以降、コスタリカのコーヒーは生産性を確保しつつ品質を飛躍的に向上させることに成功しています。設備・技術・流通を発展させた先進的な姿は“スペシャルティコーヒー生産の先進国”と言えます。
コスタリカのコーヒーは、8つの生産地域(※)に分けられています。 ※チリポ、トゥリアルバ、トレス・リオス、オロシ、タラス、セントラルバレー、ウェストバレー、グアナカステ 中でも古くから名産地として名を馳せてきたのは「タラス」。コーヒー国内総生産量の約3割を占める一大生産エリアです。標高が特に高い地域で、多くの優良農家がしのぎを削っています。 「チリポ」は元々汎用品のコーヒー産地でしたが、近年では高品質なコーヒーを生産するエリアとして非常に注目されています。堀口珈琲は15年前に日本のロースターとして初めてチリポに足を踏み入れ、現地生産者と二人三脚で品質向上に努めてきた思い入れの深い産地です。
コスタリカはかつて品質よりも生産性(量)を重視する生産国でした。1989年、国際コーヒー協定の終了に伴うコーヒー相場の暴落によって、量を追求した生産国のコスタリカは大打撃を受けました。これがきっかけとなり、量から質に向けた転換が始まりました。 まず品質の観点からカネフォラ種の栽培を法律で禁止します。アラビカ種の耐病性を高めるために開発されてきたハイブリッド品種も風味の観点から推奨せず、カトゥーラやカトゥアイといった非ハイブリッドのアラビカ種の生産を薦め、高品質化をはかってきました。ある程度の生産性を有しつつ品質的にも優れた品種が主要な栽培品種として選択されていることがコスタリカの基本のおいしさを下支えしています。
1989年のコーヒー相場の暴落に端を発した小規模生産者の経済的困難は2000年代初頭まで続きます。そんな状況を打破するために、一部の小規模生産者がコーヒーチェリーの加工場(精製施設)を作り、”栽培から精製まで”を自らの手で施すことで付加価値をつけた質の高いコーヒー生産を試みるようになります。 独自の精製施設を所有する小規模生産者は「マイクロミル」と呼ばれます。かつては品質関係なく大農協産として混ぜられていたコーヒーはマイクロミルの誕生によって品質重視の生産へと転換し、ベースの品質が向上。生産者、農地、品種や精製違いといった細かい単位で高品質かつ多様なコーヒーが生産・流通されるようになりました。
2010年台に入るとスペシャルティコーヒー市場が市民権を拡大し、コスタリカにおいても、次々と新たなマイクロミルが設立されていき、ムーブメントの様相を呈します。一方で、マイクロミルのコーヒーであればなんでもスペシャルティコーヒー、素晴らしいコーヒーという誤解も同時に広まっていきます。 私たちは、トップクオリティのコーヒーを求めて幾度も現地を訪れて取材をし、そこで出会った優秀な生産者たちと継続的な関係性を構築してきました。堀口珈琲のコスタリカは、テースティングと産地訪問を繰り返す中で出会い、品質マインドを共にしてきた生産者たちが手掛ける最高品質のコスタリカコーヒーです。
コスタリカ最高峰のチリポ山に抱かれ、自然豊かな生産エリア「チリポ」。同地域における高品質なコーヒー生産を牽引している生産者が「ロス・クレストネス」です。 2008年に彼等から届いたサンプルに衝撃を受けた私たちは、日本のロースターとして初めてチリポに足を踏み入れます。高品質なコーヒー生産に適した環境と生産者たちの情熱に魅せられ、以降も幾度となく訪問し、二人三脚で品質向上に努めてきました。華やかな香りに、優しい酸と甘み。ミルクチョコレートのような滑らかなコク。非常にクリーンでカップバランスに優れた飲み飽きしないコーヒーです。
2000年代前半から始まるコスタリカのマイクロミルムーブメントのなかでも創成期に設立された古参のマイクロミルで、いわば火付け役的な存在です。タラス地域の北西レオンコルテス市にて長期的に高品質な生産活動を続けており、同国でもトップクラスの実力と経歴を兼ね備えた素晴らしい生産者です。 堀口珈琲が扱うのは「カリサル・アリバ」「ジャサル」という2つの農地のコーヒーです。「カリサル・アリバ」は“すっきりとした余韻”が特徴的で、明るく爽やかな印象のコーヒーです。「ジャサル」は標高2,000m越えの超高標高農地ならではのエレガントで複雑な味わいが魅力のコーヒーです。
名産地タラス地域ドタ地区にて12-13年度からスタートした第三世代のマイクロミル。農地の管理は当主オマールさん、ウェットミルでの精製工程は四姉妹が担い一家総出でコーヒー生産をおこなっています。 堀口珈琲が扱う「オルティス2000」は農園のなかで最も標高が高い場所にあり、標高は2,000mを超えます。厳しい環境下での困難なチェリー栽培と高い精度の精製から得られる明瞭な酸と華やかな香りは、レモン・オレンジ・伊予柑など多彩な柑橘のニュアンスをもたらし、酸の量に負けない滑らかな質感と甘みが高次元のバランスコーヒーを形成しています。
ハイレベルな生産国である「コスタリカ」。中でも“堀口珈琲が選りすぐった最高品質のおいしさとその背景”を紹介していきます。コーヒー産地としてのコスタリカについて知識を深めていきましょう。
掲載期間 2024/07/17〜2024/08/13
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