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スペシャルティコーヒー＝“浅煎り”？
「スペシャルティコーヒーって浅煎りのフルーティーなやつでしょ？」
2010年代に米国からもたらされた“サードウェーブ”というムーブメント以降、「スペシャルティコーヒー＝浅煎り」という誤解が広まり、日本のスペシャルティコーヒーの世界に浸透しています。
「スペシャルティコーヒーを深煎りにすると、同じ味になって個性が見えなくなる。」
時にはこのようなコメントを耳にする時も。
もちろん浅煎りのコーヒーには浅煎りらしいおいしさがあり、スペシャルティコーヒーのおいしさの一面を表現してくれます。
その一方で、深煎りにも特有のおいしさがあり、おいしさの別の側面を見せてくれます。
特に、一部の優れた素材においてはどの焙煎度でも個性を発揮するため「スペシャルティコーヒー＝“浅煎り”」という考え方や「深煎りはどれも同じ味わい」と捉えてしまうのはあまりにももったいないことなんです。
浅煎りも深煎りも飲み分けて楽しむことができれば、スペシャルティコーヒーの楽しみの幅が広がります。そこで今回は、“スペシャルティならではの深煎りの世界”に注目してみましょう。
堀口珈琲では定番ブレンドで3種類、シングルオリジンでは10種類程度、年間を通じて常に深煎りのラインナップを数多く取り揃えていますが、その中でも「今」飲んでいただきたい深煎りのコーヒーをピックアップしてご紹介します。
これからコーヒーがうんとおいしくなる季節。
深煎り好きな私たちだからこそお伝えできるその魅力。余すことなくお伝えしますので、この先の季節をコーヒーと共に思う存分楽しんでくださいね。
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【12/11更新！】
今飲んで欲しい「こだわりの深煎り」8選
ここでは多彩な深煎りラインナップを「王道の深煎り」「果実感のある深煎り」「華やかな深煎り」という３つのカテゴリに分け、それぞれブレンドとシングルオリジンを１種類ずつピックアップしてご紹介していきます。
【�＿ζ擦凌疾�り】
まずは挨拶代わりに楽しんでいただきたい深煎りをご用意しました。焦げや雑味を感じさせないクリーンさ。深煎りらしい苦みとしっかりとしたコク。まさに深煎りの王道と呼ぶべき味わいのコーヒーです。
#７ BITTERSWEET＆FULL-BODIED フレンチロースト
販売価格：1,850円（税込1,998円）
堀口珈琲が創業時から追求してきた、深煎りのおいしさを体現したブレンドです。 深煎りに絶対に必要となる“心地よい苦み”。そこにほのかな甘みとしっかりとしたコクも備わっています。堀口珈琲の一番人気のブレンド、まずはここからお楽しみください。
ペルー 「フェスパ農園 カトゥーラ」 フレンチロースト
販売価格：1,700円（税込1,836円）
多品種を栽培するペルー「フェスパ農園」において、深煎りで人気の「カトゥーラ品種」。飲みごたえ抜群の厚みのあるボディ。そして黒色果実を思わせる甘い余韻は、深煎り好きには堪りません。
【��果実感と深煎り】
「フルーティー」という言葉は浅煎りの特権でしょうか？そんなことはありません。深煎りでは熟した果実や色濃い果実を思わせる、浅煎りとは一線を画す 深煎りならではの果実感をお楽しみいただけます。
#６ WINEY＆VELVETY フレンチロースト
販売価格：1,850円（税込1,998円）
深煎りコーヒーの複雑な味わいに果実感が加わると赤ワインのような雰囲気が現れます。複雑さと果実味、そして豊かな口あたりを備えた深煎りコーヒーです。 深煎りの新たな世界に足を踏み入れるきっかけになること請け合いです。
エチオピア 「ゴロ・ベデッサ ナチュラル」 フレンチロースト
販売価格：1,900円（税込2,052円）
当店の中でも屈指の人気を誇る「ナチュラル精製」の深煎りコーヒーです。 中でも、2023年にエチオピア「グジエリア」から初登場し、勢いの止まらない「ゴロ・ベデッサ」を今回はご用意しました。豆を挽いたその瞬間から漂う甘い香り。 熟度の高い果実をかじった時のようなクリーミーな口当たりに、赤や黒色を思わせる複雑で華やかな果実味は一度飲めば病みつきです。
【�２擇笋�さと深煎り】
深煎りで表現するのが難しいとされている「華やかさ・爽やかさ」。
深煎りの中でもそんな風味を表現できる素材を適切に焙煎すれば、新しい深煎りの顔が見えてきます。
#８ PROFOUND＆ELEGANT フレンチロースト
販売価格：1,850円（税込1,998円）
適切な焙煎・そしてブレンディングを行うことで表現の難しい「華やかさとかろやかさ」を表現したブレンド。しっかり苦く飲みごたえもあるのに華やかな味わいを持つ、ブレンド＃７とは対を成すような深煎りのコーヒーです。
ペルー 「フェスパ農園 ゲイシャ」 フレンチロースト
販売価格（100g）：2,400円（税込2,592円）
ペルーの人気農園「フェスパ農園」から届いたとっておきの「ゲイシャ品種」。
浅く煎れば花を思わせるフローラルな香りや蜂蜜のような甘みが堪能できますが、深煎りにすることで一歩踏み込んだ楽しみ方ができます。
深く煎ることで口当たりに厚みが増し、熟度の高い果実を思わせる甘さと見事に調和します。ゲイシャの華やかさを保ちながら複雑さを感じさせ、甘さと滑らかな質感が際立った、上品でリッチな味わいがお楽しみいただけます。
【�ず�だけのとっておき】
イエメン 「バニ・ナヒミ ナチュラル」 フレンチロースト
販売価格（200g）：3,600円（税込3,888円）
ご好評につき完売しました。
長い歴史と文化、そしてその独特の風味でコーヒーファンを魅了してやまない産地「イエメン」。
伝統的なナチュラル精製由来の熟した赤色果実を思わせる風味に加え、ドライフルーツやスパイスのようなニュアンス。加えて洋酒を思わせるような芳醇な香りはこの産地ならではの唯一無二の個性です。
ここに深煎りらしい豊かな質感と苦みの相乗効果が加わることで味わいの複雑さは圧倒的なものとなります。
【期間限定】ハッピーホリデーブレンド2024 フルシティロースト
ご好評につき完売しました。
カップから漂う、心を掴む華やかで甘い香り。次々にあらわれる充実した彩り豊かな果実のニュアンス。余韻にかけて続くミルクチョコレートのような、滑らかな触感とほろ苦く甘い余韻。
今年のブレンドコンセプト【Couche -層-】に基づいて創作された、多層的な風味がお楽しみいただけるブレンドです。
特別な日にはもちろん、派手すぎず滋味深い味わいは、毎日飲むコーヒーとしてすっと冬の日常に溶け込んでくれる一杯です。
おいしい深煎りのいれ方
今回ご紹介したラインナップの多くは「フレンチロースト」です。
先にご紹介した各コーヒーの味わいを存分に楽しむために、おすすめのレシピをご用意しました。まずはこちらのレシピでいれてみてください。
【抽出のコツ】
フレンチローストはしっかりとした苦味のある深煎りコーヒーです。浅めの焙煎度でも感じられるなめらかな質感は重量感を増し、苦味とともに甘みが現れます。のうこうな味わいを楽しむために、抽出は「じっくり」いれていきます。
【ポイント】
注ぎ始めは少量の湯を静かに注いで粉にお湯を浸透させます。40秒前後でサーバーに抽出液がポタポタ落ち始め、注ぐ量を少しずつ増やして70秒前後で抽出液のポタポタが線状になるように。前半は浅めの焙煎のものよりもやや「じっくり」を意識します。
その後は表に記載の抽出時間くらいで目標の抽出量に達するよう注ぐペースを徐々に早くしていきます。抽出後半もゆっくり焦らずお湯を注ぎ、のうこうな液体に仕上げます。
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堀口珈琲が深煎りにこだわる理由
焙煎度を段階的に分けた時の名称が上の図です。堀口珈琲ではこの焙煎度の中で「フレンチロースト」と呼ばれる焙煎度を深煎りの中心と考えています。
一般的に焙煎を進め、深煎りの領域まで進行すると「かろやか」なコーヒーから「しっかり」とした味わいのコーヒーへ向かっていきます。 浅煎りのコーヒーでは快活な酸や瑞々しい果実感、そして華やかな香りを感じやすく、焙煎が深くなるにつれ苦みと甘み、口当たりのきめ細やかさやなめらかさ、濃度や密度、粘度を感じやすくなります。 「苦み＝焦げ」として、ネガティブにとらえる人もいますが適切に焙煎をしていけば、「渋みや焦げ」を伴わない、“コーヒーらしいきれいな苦み”をしっかりと感じさせてくれます。
「適切に焙煎をする」。これだけを言葉で伝えるのは簡単ですが実は素材選びにも気を使う必要があります。深く煎るほど、焦げのリスクは高まります。 比較的早い段階で焦げのニュアンスが出てしまい、生豆に由来する「個性」が覆い隠されてしまうような素材は深煎りには不向きでしょう。「深い焙煎」に耐えられるような、硬く密度のあるコーヒー豆であること、そして深く煎ることで輝きを見せる個性を備えた素材を選ぶ必要があります。
素材を見極め、適切な焙煎を施す。その先に「焙煎がもたらす、コーヒーらしいきれいな苦み」と「素材（生豆）が持つ個性」の組み合わせでしか得らない豊かな風味が深煎りでは現れてきます。この風味こそが深煎りの醍醐味と言っても過言ではありません。
今回ご紹介し8つのコーヒーはそんな醍醐味を感じることができる「こだわりの深煎り」です。ぜひ複数のコーヒーを飲み比べて、深煎りの奥深き世界をお楽しみください
