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今、生豆バイヤーが飲んで欲しいコーヒー


生豆の持つ重要性

私たちが扱うコーヒー豆はすべてこの状態で日本に入ってきます。その後の過程、欠点豆を取り除く「選別」や豆の備える個性を最大限に引き出す「焙煎」、によってより良いものを目指してはおりますが、実際のところ、生豆が本来持つ"おいしさの可能性"以上のものを生み出すことはできません。その点において、生の状態での品質というのは当店にとってどれだけ重要なポイントであるかお分かりいただけるはずです。


生豆バイヤー若林

当店の若林は、まさにその「生豆」のことを第一に考えて働いているスタッフです。日々届けられる膨大なサンプルをチェックし、その品質を見極めて今後扱う商品を決定する。そして、各産地との関わりにおいては最前線に立って情報交換や現地視察を行うなど、コーヒーに関して広く、そして深い知識と経験が求められます。


名物企画へ?

少々褒めすぎましたが、今回の企画はそんな生豆調達の専任スタッフに独自の視点でコーヒーを選んでもらうという企画です。実は2年前にも企画しておりまして、大変反響いただきましたのでシリーズ化しようと企んでおります。それでは、若林にバトンタッチしましょう。やや長い(いえ、かなり長い)かもしれません。お時間がございましたら、コーヒー片手にどうか若林の熱い想いに最後までお付き合いいただけますと幸いです。






〜ポストアンティグアを求める旅の中で〜


唯一無二のアンティグア

堀口俊英が買付を担っていた頃から当店の中米産コーヒーの基本はグァテマラ・アンティグア。柑橘の酸、ボディ、フローラルな華やかさ、この3つをバランス良く兼ね備えたアンティグアはミディアムからイタリアンまで幅広い焙煎度合いに対応でき、シングルオリジンのみならずブレンドを下支えする素材としても重要な役割を果たしてきました。当店のアンティグアと言えば皆さんご存知のサンタカタリーナ農園ですね。もう15年以上も堀口珈琲を支えてくれている生産者で、我々にとって唯一無二の存在といっても過言ではありません。


名産地に異変が

そんな名産地も近年は降雨量の変化だけでなく降雨のタイミングの変化など様々な気候変動に見舞われ、名門農園でさえも品質と生産量の維持を両立することが難しくなりつつあります。我らがサンタカタリーナ農園も例外ではなく、品質は皆さんに楽しんでいただいている通り安定させてくれているものの、十分な量の生産には苦戦しています。同農園の管理者ペドロ氏とは現状にどう対応していくか毎年話し合いながら取り組んでいますが、“アンティグアがなくなってしまったらどうしよう”という課題(ペドロ氏の前では口が裂けても言えませんが)は、買付を担当する身として想定しない訳にはいきません。堀口珈琲の味作りの根幹を揺るがす課題なのですから。こうしてポストアンティグアを求める取り組みを開始し、それは現在も進行中です。

今回紹介するのは、そんなポストアンティグアを求める旅の中で出会ったアメイジングなコーヒー達です。




<商品紹介> コスタリカ「【ラ・ロカ】ラ・ケブラダ」





コスタリカの隆盛

コスタリカと言えば2000年代前半からのマイクロミルの隆盛が高品質コーヒーの生産を牽引してきました。小型の加工設備を用いることで、これまでは他と混ぜられてしまっていた高標高産の高品質なコーヒーチェリーを分けて加工できるようになり、突出した品質が生まれたのです。設備の小型化は加工精度の向上や加工方法の多様化にも寄与し、コスタリカコーヒーは新しい時代を切り開いたと言って良いでしょう。 このコスタリカコーヒーの品質の激変は、私が買付を担当し始めた頃と時を同じくし、年を追うごとに新しいコスタリカコーヒーのサンプルが手元に届くようになりました。

堀口珈琲のコスタリカコーヒーにおいて重要なターニングポイントは2回あります。
1度目は、昨年10周年を迎えた【ロス・クレストネス】との出会いです。皆さん存分にお楽しみいただいたかと思いますのでここでは割愛させていただきます。そして、2度目が今回紹介する【ラ・ロカ】を含むタラスコーヒーの再発見です。


新しい"タラス"との出会い

ポストアンティグアを検討する中でタラスは頭の片隅にはあったものの、当店には【ロス・クレストネス】という素晴らしいミルのコーヒーがすでに存在しました。同ミルのあるチリポ地域は、タラス地域と異なり高品質コーヒーの生産地として認識されていなかったこともあり、生産者を支える意味でも始めはこちらに注力すべきと考えていました。しかしながら、クレストネスの需要は年々高まる中、真面目さも手伝って彼らが生産する最高品質の生豆は急激に増えることはありませんでした。

そんな中に届いた衝撃的なサンプルがタラス産でした。口の中で爆発するような果実味、濃縮感とボディ、これまでのタラスのコーヒーと明らかに異なるものでした(きっと皆さんにも味わっていただいているコーヒーなのですが今回は内緒です)。何かがタラスで起きている。すぐに行かなければならないと確信し、翌シーズン14-15クロップが収穫のピークを迎える2014年2月にはタラスの地に立っていました。その訪問で一番目に出会ったのがまさにこの【ラ・ロカ】です。


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<商品紹介> ホンジュラス「ロス・デルンボス」





山あり谷あり

堀口珈琲が長年あまり取り扱ってこなかった産地です。
取り組もうとしなかったのか?そんなことはありません。
かつてホンジュラスの良質なパカス品種を求めて多くのサンプルをローストした記憶があります。グレープのような風味でジューシーといった優れた要素が感じられるサンプルも散見されました。しかし、残念ながら経時劣化しやすいであろうと予測されるものが多く購入を見送るケースがほとんどでした。ホンジュラス国内のコーヒー流通は、チェリーやそれに近い形(=水気を含んだ状態)での流通が主であったため、その段階で品質劣化してしまうことが多かったと推測されます。

その後、ホンジュラスはさび病対策を積極的に進め、IH90やレンピラといった耐病性のあるハイブリッド品種への転作が進みました。対策が功を奏し、グァテマラやエルサルバドルなどがさび病に苦しむ中、ホンジュラスは安定した生産量を確保できています。一方、風味に特化したコーヒーが見出しにくくなってきたこともないとは言えず、その点は当店でのホンジュラスの扱いに多少影響していると思います。しかし、近年インフラの改善やチェリー流通から加工後のドライパーチメント流通(殻付きの生豆)が増えつつあり、品質に対してポジティブな変化も生まれています。今回紹介するロス・デルンボスもその潮流にのった商品と言えるかもしれません。


カッピング会での出会い

2016年、15-16クロップの中米産サンプルが集まったとあるカッピング会(テースティング会)に参加しました。そのカッピング会ではグァテマラ、コスタリカ、エルサルバドルと共にホンジュラス産のサンプルが並び、精製はウォッシュト、ナチュラル、様々なハニーと多様でした。当時は(今も?)ハニーやナチュラルに注目が集まっており、その時のカッピング会でも注目はエルサルバドルのパカマラ品種ナチュラル精製などに集まっていたように思います。私のテーマも「アンティグア以外に可能性があるグァテマラはないか」「コスタリカでまた新しい潮流が発生していないか」「さび病の影響が残る伝統的かつ保守的な産地のエルサルバドルの現状は?」といったところで、あまりホンジュラスに注目していなかったことは事実です。

テースティングを始めるとエルサルバドルのナチュラルやコスタリカのハニーのカップに参加者が集まります。私も一通りカップしようと順番にチェックしていきましたが、立ち止まったのは他の参加者があまりいないホンジュラスのテーブルでした。状態がフレッシュなためか渋みが強くフレーバーも穏やかだったため、一見優れたコーヒーでないように見えました。しかし、フレッシュすぎる点を加味してじっくり見てみると、明らかにクリーンで密度がしっかりと感じられるコーヒーでした。 「えっ、ホンジュラスにこんなコーヒーあるんだ、出来の良い年のアンティグアと並べても遜色ないんじゃない?」と思いながらも、冷めるまでカップが崩れないか時間をかけて慎重にチェック。驚きは確信へと変わりました。

セルグァパ産コーヒーの誕生

このコーヒーが何者なのか確認しないといけない、とすぐに主催者に話しかけると、あっさり「サンプルもってきたホンジュラス人そこにいるよ」との返答。さっそく、彼を質問攻めにしました。すると彼は、「これは加工設備を持っていないのでチェリーで販売する以外に方法がない地域に移動式のウェットミルを持ち込んでテスト精製したコーヒーなんだ。気に入ってくれて嬉しい。是非紹介したい。」との返答。また、「この地域は標高が高くさび病の影響が少ない、そもそもアクセスが悪い地域、だから新しい品種が流入しにくくブルボンだけでなくティピカも結構残っているよ」と説明してくれました。

すぐに翌年の商品化に向けて一緒に取り組むことで一致し、うまく商品ができたらサンプルを送ってくれると約束してくれました。そうして到着したのが16-17クロップのヘスス・ガレラス氏(「ラ・ファルダ」や「ラ・フォルトゥナ」の生産者)のコーヒーです。チェリーで流通するだけでどういったコーヒーになっていたかわからなかった地域のコーヒー、セルグァパ産コーヒーが初めて世に出ることになったのです。


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