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コスタリカが誇る仕事人たちから
4種類のコーヒーが届きました
中米を代表するコーヒー産地の1つである「コスタリカ」。コーヒー栽培に適した高いポテンシャルを有する自然環境と熱意のある生産者が数多く存在し、私たちもその魅力に取りつかれてきました。
毎年安定した品質と量のコーヒーが、手元に届き、その種類も多様。堀口珈琲のブレンドづくりにおいては「欠かすことの出来ない当たり前の存在」となっています。
当社にとって、今ではそんな存在となった同国との歴史を語る上で外せない存在がいます。それが15年ほど前に出会った、パートナー生産者である【ロス・クレストネス】マイクロミルです。汎用品のコーヒー生産が主流であったチリポ地域において堅実でひたむきに努力する姿勢が高い品質のコーヒーを生み、同地域を支える産業を一つ躍進させるきっかけを生み出した生産者です。
交流が始まって15年という節目を迎えるにあたり、改めてみなさんにその素晴らしさに触れてほしく4つのコーヒーを同時にご紹介することを決めました。今、当店で扱うコスタリカがあるのは彼らとの出会いの賜物と言っても過言ではありません。今回の特集では、当店のコスタリカコーヒーの立役者である【ロス・クレストネス】について、そのコーヒーの楽しみ方やちょっとした思い出を振り返りながらお話しします。
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【ロス・クレストネス】から届いた4つのコーヒー
「エル・アルト ナチュラル」
シティロースト
販売価格(200g):税込1,944円
ご好評につき完売しました。
濃厚な甘みと熟成したブランデーを思わせる甘い香り。
同農地から数年ぶりに届いた、なかなか入荷しないナチュラル精製のコーヒーです。
「エル・アルト ビジャサルチ」
フルシティロースト
販売価格(200g):税込1,782円
非常に滑らかな質感と甘苦いコク。
ビジャサルチ品種由来の引き締まった酸もあり、ほんのりと赤色の果物を思わせるようなニュアンスも感じられるコーヒーです。
「エル・セロ ビジャサルチ」
フレンチロースト
販売価格(200g):税込1,782円
厚みのあるボディとカカオを思わせるような風味。
深煎りらしいしっかりとした苦みを楽しみつつも、後味にかけて熟した果実の様な甘みも感じられます。
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【ロス・クレストネス】ってどんな生産者?
-コスタリカの重要産地「チリポ」-
さて、今回の特集の主役である【ロス・クレストネス】についてお話するにあたって、まずは重要なキーワードとなる「チリポ」エリアについておさらいします。
チリポはコスタリカの首都である「サン・ホセ」から、南西に離れたサン・ホセ州の端に位置します。コスタリカの最高峰であるチリポ山に抱かれた、土地の大部分が山や森などの自然によって囲まれているエリアです。ICAFE(コスタリカコーヒー協会)の生産エリア区分では、かつてこのエリアは「ブルンカ」と呼ばれており、高品質なスペシャルティコーヒーではなく主に汎用品のコーヒーが生産の主流となっていました。
-【ロス・クレストネス】との出会い‐
さて、時は遡り2008年。場面は日本へ移ります。とあるチリポで作られたコーヒーのサンプルが、生豆調達拠点である上原店に届きました。当時のコスタリカは「タラス」エリアに注目が集まっていたこともあり、調達を担当していたスタッフは、「なんだ、ブルンカ(のちのチリポ)のコーヒーか」と、カップテスト前には特に期待もしていなかったそうです。ですがそれは全くの偏見だったのです。
カップテストを進めていくと「派手ではないが、繊細な華やかさ、特有の甘さ、そしてクリーンで主張しすぎない柑橘の酸。」コスタリカにはこんなコーヒーがあるのか、と衝撃を受け即購入を決めました。 これがのちに【ロス・クレストネス】が管理する「エル・アルト」農地のコーヒーだったことがわかりました。そして堀口珈琲と「チリポ」のコーヒーが本格的に結ばれるきっかけとなります。
その年はたった5袋だけのオファーでしたが、購入を決めたその時から「来年も購入したい」とはやる心が収まりませんでした。 ゆくゆくコーヒーとの出会いは、「他にも素晴らしいコーヒーがないか」とコスタリカ全域を行脚するきっかけとなったのです。
実際の訪問が叶ったのは、オファーの届いた翌年の2009年。中米の国々の生産者をめぐる旅の一環で、日本のロースターとして初めて「チリポ」エリアに足を踏み入れることになりました。ここでようやく【ロス・クレストネス】のみなさんと対面することになりました。
-【ロス・クレストネス】の凄さとは?-
【ロス・クレストネス】があるチリポは冒頭で述べた通り、汎用品を生産するエリアだったこともあり、コーヒー豆の多くは安価に買い叩かれていました。そのため資金源に乏しく、販路の確保にも苦労しましたが、政府やNGOの協力も得て2008年にミルが設立されるに至りました。ミルの設立と高い付加価値を付けたコーヒーの販売にこぎつけた部分だけでも称賛に値しますが、彼らの凄さはその後にあります。
コーヒー生産が軌道に乗り、安定した収入によって生活が豊かになれば、中には生産の方向性を変えて生産量にだけに重きを置いたり、他の農作物の栽培を始める生産者も中にはいます。ですが、【ロス・クレストネス】のメンバーは誰を見ても、品質に対して非常に真面目で決して手を抜きません。安定してコーヒーが提供できるようになってからも、その成功には胡坐をかかず堅実に農地の拡大や品質向上のための設備投資など取り組みをひたむきに続けてきました。
そんな姿勢は、チリポの他の生産者たちにも良い影響を与えてきました。彼らのような存在になることを目指し、次の世代のマイクロミルも設立されるようになり、気づけば「チリポ」を盛り上げる中心的存在となりました。コーヒーを通じて地域を盛り上げていこうという、熱い思いを体現し、地域産業を豊かにしてきたところが彼らの本当の凄さです。
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チリポ産コーヒーの風味傾向
風味傾向 ‐クリーンかつ豊かな質感‐
私たちが取り扱う「チリポ」のコーヒーの特徴は「滑らかな質感と品の良さ」です。”柑橘果実の華やかな酸、チョコレートのような滑らかなコク、クリーンで澄んだ甘さがそっと残る。どこか落ち着いた印象で酸とコクのバランスが良い。”そんな風味のコーヒーが安定的に作られているのがこの「チリポ」です。
農地によっても個性が異なる
チリポの特徴に加え、【ロス・クレストネス】が管理するそれぞれの農地でもさらに細かな個性の違いが現れます。ここでは特集内でご紹介する3つの農地におけるコーヒーの特徴と、それぞれの生産者について簡単にご紹介します。
-エル・アルト(生産者:グレース・カルデロン・ヒメネスさん)
【ロス・クレストネス】の中心的な存在ともいえるグレースさんが取り仕切る農地です。旦那さんであるエウヘニオさんと二人三脚で運営を行っており、昔から変わらないまじめな性格がコーヒーにも表れているようです
エル・アルトのコーヒーの特徴は「品の良さ」。
主張しすぎない柑橘果実を思わせる華やかさと、ほど良く滑らかで甘みを感じられるコクがバランスよく調和している味わいが魅力です。
-エル・セロ(生産者:エルメス・カルデロン・ヒメネスさん)
マイクロミルの管理責任者で精製工程を主に取り仕切っているエルメス・カルデロンさんが手掛ける農地。一見すると強面のおじさんの様ですが、実はとても優しく穏やかな性格です。
エル・セロの特徴は「厚みのあるボディ」。
高標高で育まれたコーヒーは、滑らかな質感に加えて、クリーンな酸が感じられ例え深煎りにしてもなお華やかさがしっかりと感じられます。
-フィリャ・アルタ(生産者:アウリア・トーレス・カルデロンさん)
中心人物であるグレースさんの姪っ子であるアウリアさんが手掛ける農地です。
フィリャ・アルタのコーヒーで特筆すべきはその「華やかさ」。
当然ながら、これまで紹介したすべての農地において「クリーンさ」は非常に優れていますが、中でも透明感があるのがこの農地。曇りがないからこそ、フレーバーの豊かさや香りの華やかさを存分にお楽しみいただけます。
ここまでご紹介してきた通り、同じエリアの同じマイクロミルが手掛けるコーヒーでもここまでの違いが生まれます。そこに「焙煎度」や「品種の違い」「精製」の違いという変数が加わることで、より多様で複雑な味わいがお楽しみいただけます。生産者の方々のキャラクターも思い浮かべながら飲んでみるのも面白いですよ。
「エル・アルト ナチュラル」
シティロースト
販売価格(200g):税込1,944円
ご好評につき完売しました。
濃厚な甘みと熟成したブランデーを思わせる甘い香り。
同農地から数年ぶりに届いた、なかなか入荷しないナチュラル精製のコーヒーです。
「エル・アルト ビジャサルチ」
フルシティロースト
販売価格(200g):税込1,782円
非常に滑らかな質感と甘苦いコク。
ビジャサルチ品種由来の引き締まった酸もあり、ほんのりと赤色の果物を思わせるようなニュアンスも感じられるコーヒーです。
「エル・セロ ビジャサルチ」
フレンチロースト
販売価格(200g):税込1,782円
厚みのあるボディとカカオを思わせるような風味。
深煎りらしいしっかりとした苦みを楽しみつつも、後味にかけて熟した果実の様な甘みも感じられます。
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さいごに
【ロス・クレストネス】に関連する資料を見返してみれば、知った顔の人々の様相もすこしずつ変わってきました。それもそのはず。堀口珈琲の半生にもあたる「15年」という長い年月を共に歩んできてくれました。 お互いへのリスペクトを忘れず、この先も素晴らしいコーヒーがみなさまのもとへ届けられるよう共に歩んでいけたらと思います。
最後になりますが、【ロス・クレストネス】のコーヒーは、彼らに敬意を表し特別なラベルを使用しています。見れば一目でわかるようになっておりますので、このラベルを見たら彼らのことを思い出してくださいね。