TOP > ルワンダ 千の丘飲み歩きの旅
- 1
-
今年は「丘」単位で細分化したルワンダをお届け!
今年もやります、ルワンダ企画!
2022年は年間を通じて南部、北部、西部と様々なエリアのコーヒーをご紹介し、ルワンダの「多様さ」を実感していただきましたが、今期はルワンダの「奥深さ」を実感していただこうと思います。
ご紹介するのは2022年に初めて販売した西部の「マチアゾ」エリアのコーヒー。今年は「マチアゾ」のコーヒーをさらに4つのヒル(丘)単位で細分化したロットをお届けいたします!
千の丘を持つ国と呼ばれるルワンダにおいて、“丘”単位でのロット分けは初の試み。実は昨年、事前のカッピングで品質の高さを感じていた「マチアゾ」を訪問した当店スタッフが、現地でその恵まれた環境にポテンシャルを見出し、「丘単位でさらにトレーサビリティを明確にしたロットをつくれないか」と打診、今回の企画が実現しました。
4つのヒル(丘)から届いたコーヒー。果たして風味に違いが出るのか、ドキドキしながら飲み比べてみると……、お見事!いずれも共通して素晴らしい品質であり、且つそれぞれのコーヒーに個性の違いが明確に感じられました!
堀口珈琲と新たなパートナーBAHO社が力を合わせたからこそ、ルワンダにおいてもこのような楽しみ方ができるようになりました。ここまでマニアックなことをするロースターは私たちだけだと自負しています。
今回はそれぞれの旬を迎えるタイミングで、それぞれの個性を存分に活かした焙煎度に煎り分けて、順番にお届けしてきました。そして今回お届けするのは本企画のトリを務める「ガコ」です。ぜひ多様なルワンダをご体感ください。
- 2
-
堀口珈琲のルワンダはここが違う!
高い品質を備えられるポテンシャルの高さと他のアフリカとはまた違った魅力的な個性に魅了され、十数年前からルワンダの産地開拓は本格的に始まりました。ここでは、堀口珈琲が取り扱うルワンダについて、その歴史もふりかえりつつ簡単にご紹介してきます。
2−1 堀口珈琲とルワンダ その1
‐ニャミラマプロジェクト‐
堀口珈琲のルワンダと言えば?
古くから当店をご利用いただいているお客様は「ニャミラマ」のコーヒーが思い浮かぶのではないでしょうか。
堀口珈琲は2017年からルワンダ南部のコアカカ協同組合(コーヒー生産者組合)と共に「ニャミラマプロジェクト」を発足。コーヒーの品質向上とそれを持続していく仕組みづくり、そして、これらを基盤とした生産者の生活安定の実現を目的として、様々な施策を行ってきました。
取り組みの成果が実を結びコーヒーの品質は徐々に向上していきます。なかには他の優良産地に肩を並べるレベルのクリーンさと個性を備えるコーヒーも。これには私達は何度も驚かされました。もちろん、ニャミラマプロジェクトは現在も継続中。今期も安定した品質のコーヒーが届きましたので、ぜひご賞味ください。
好評につき、今期の「ニャミラマ」は完売致しました。
>持続可能なコーヒー生産に向けて 堀口珈琲のニャミラマプロジェクト in ルワンダ(ブランドサイトへ)
2−2 堀口珈琲とルワンダ その2
-新たなパートナーBAHO社-
そして2022年、堀口珈琲のルワンダは新たなフェーズへと移行しました。通年企画「Muraho Rwanda!」と題し、これまでご紹介してこなかったルワンダ北部や西部の多様なコーヒーを続々とご紹介。
10月には企画のフィナーレとして「ルワンダと繋がる12日間」を開催し、期間中の売上1,409,298円を現地の品質向上プロジェクトの資金として寄付(※活用状況を後述します)するなど、多くの皆様にルワンダコーヒーを楽しんでいただきながら現地との関係性をさらに深めることができました。
この一大イベントの背景には、ルワンダにおける新たなパートナーBAHO社の存在があります。BAHO社はコーヒーの精製や輸出を行うコーヒーカンパニーで、ルワンダ全域で積極的に活動を続けています。代表のルサティラ氏との出会いが、堀口珈琲のルワンダにさらなる多様さと奥行きをもたらしてくれました。
今回の特集において「マチアゾ」エリアのコーヒーをさらに4つの丘にロットを分けてお届けできるのも、BAHO社ルサティラ氏の協力があってこそ。私たちの品質へのあくなき追求心からくる(面倒な)要望を快諾してくださり、他には類を見ないルワンダのコーヒーを“丘”単位で楽しめる特別な機会を得ることができました。
>常に農家に寄り添う / インタビュー:BAHO代表 ルサティラさん(ブランドサイトへ)
2−3 「ルワンダと繋がる12日間」
-寄付金の活用状況レポート-
前述した通り、2022年10月実施の「ルワンダと繋がる12日間」において、期間中の売上を現地の品質向上プロジェクトの資金として寄付しました。約1年が経過しましたので、現時点での活用状況をご報告したいと思います。
寄付した金額は日本円で1,409,298円。ドルに換算して約10,000ドルです。
現時点でこのうち約3,000ドルを、
・苗床作り
・苗木の購入
・苗木を植える土地の整備
に充てています。
苗床を造り、苗木を購入する。言わば将来のための「土台作り」「種まき」といった所でしょうか。場所は今回の特集でフォーカスを当てている【マチアゾ】のある西部ンゴロレロ郡です。非常に高いポテンシャルを秘めたこの地に、皆さまからの寄付金を活用して苗木を植えています。やがて実を結び、皆さまに届けできるまでには数年を要しますが、ぜひ期待してお待ちくださいね。
寄付金約10,000ドルのうち、残りの約7,000ドルはマチアゾのウォッシングステーションに充てる計画が進行中。チェリーの選別に使用するエリアの確保や乾燥に使用するベッドへの投資をいくつか考えていて、優先度を整理して順次投資していく考えです。進捗についてはまた追ってご報告させていただきます。
- 3
-
マチアゾ4つの丘を巡る
ここからは、今回ご紹介するルワンダ西部「マチアゾ」についてご紹介していきましょう。
まずは位置関係から整理していきます。
ルワンダは東アフリカでタンザニアの西側に隣接する国です。人口約1,000万人、面積は四国の1.5倍ほどの小さな国です。
ルワンダ全域のマップです。真ん中の黄色いピンが首都のキガリ。そこから西へ約100キロ程の位置に「マチアゾ」ウォッシングステーションはあります。
3−1 マチアゾ 4つのヒル(丘)
西部州ンゴロレロ郡にある「マチアゾ」セクター。「マチアゾ」とは石を砥ぐ動作のことを意味するらしいです。この土地には比較的石が多いことから付けられているとのこと。周辺一帯は標高が高く、1,800m〜2,000m以上あります。実際、マチアゾはンゴロレロ郡の中で最も高高度な地域です。南部に比べ冷涼で降雨量も比較的多いとのこと。
こちらはマチアゾウォッシングステーションの様子。ステーション自体の作りは比較的簡易で、パルパー(果肉除去機)や乾燥ベッドは年季の入った物でしたが、集められたコーヒーの熟度は高く、実際に届くコーヒーの品質が良いのも頷けます。
2022年はこの精製所に周辺農家から集められたコーヒーを「マチアゾ」としてお届けしましたが、今回はこの精製所の周辺に位置する4つの“丘”単位でロットを分けてもらいました。4つの丘「ムランビ」「ガコ」「ルウェセロ」「カビナナ」の位置関係はこんな感じです。
マチアゾウォッシングステーションを挟んで南西側に「ガコ」「ムランビ」、北東側に「ルウェセロ」「カビナナ」の丘があります。マチアゾウォッシングステーションを中心に半径5キロ圏内に4つの丘は存在しています。
(地図上の青いうねうねは昨年当社スタッフが訪問した際に辿った経路です)
「同じエリアのコーヒーなら、味わいも同じなんじゃないの?」
そう思われるかもしれませんが、農地の標高、日照条件、土壌など環境要因の微妙な違いが、コーヒーの風味における個性の違いとして現れます。よりトレーサビリティを明確にすることで収穫における熟度の均一性を揃えることができ、それがクリーンカップにも繋がります。
これまでの当店の取り組みにおいても、エチオピアの【ウォルカ】集落指定ロットなど、トレーサビリティをより明確にすることでよりクリーン且つ個性が明確になった事例は豊富にあります。収穫される“丘”の違いによって立ち現れるキャラクターの違いを楽しむ。ルワンダにおいても、そんな楽しみ方ができるようになりました。