TOP > ウィルダー・ガルシアの挑戦 ‐運命の出会いがもたらした最高峰のペルー‐
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最高峰のペルーをご体感ください!
出会いは偶然でした。
2014年6月。産地開拓のためにペルーへの初訪問を敢行。
しかし、当初予定していた農地視察スケジュールが、諸事情により全てキャンセルに。
途方に暮れつつ急遽予定を変更し、山を越え、谷を越え、険しい道を進んだ先に辿り着いたのがウィルダー・ガルシア氏の「フェスパ農園」でした。
偶然の出会いから9年。
今や「フェスパ農園」のコーヒーは堀口珈琲に欠かせない存在です。9つの定番ブレンドCLASSICシリーズでは様々なブレンドの素材として活躍し、今年6月に販売した創業者・堀口俊英による「PAPA‘Sブレンド」においては、実に配合比率の8割が「フェスパ農園」のコーヒーで構成されていたこともその証左と言えるでしょう。
そして、2023年7月。
ついに!待ちに待った!ウィルダー・ガルシア氏が農法指導をする若手生産者のコーヒー「サン・フェリペ」がデビューを飾ります。これがまたフェスパ農園ファンの皆様には必ず飲んでほしいような素晴らしいコーヒーなんです!
堀口珈琲のペルーといえば「フェスパ農園」という状況から、その周辺農家へも拡がり新たなフェーズへと移行していく、そんな予感に私たちの胸はひそかに高鳴っています。
そこで今回は、堀口珈琲のペルーにおける中心人物にして“運命の人”ウィルダー・ガルシア氏にフォーカスを当てた特集です。昨年訪問した際の最新情報も初掲載。
例によって長いのですが、皆さまには進化する堀口珈琲のペルーの「見届け人」となっていただきたいと思います。どうぞ最後でお付き合いください。
人気「フェスパ農園」
- 「フェスパ農園 ブルボン」
シティロースト 200g
1,650円(税込1,782円) - 現地での初カッピングで生豆買付担当が衝撃を受けたブルボン品種。究極のマイルドコーヒー。
- 「フェスパ農園 ティピカ」
フレンチロースト 200g
1,650円(税込1,782円) - 堀口珈琲が栽培を打診し、二人三脚で育んできた珠玉のティピカ品種。滑らか、華やか、エレガントな深煎り。
- 「フェスパ農園 ゲイシャ」
フレンチロースト 100g
1,900円(税込2,052円) - 最高標高区画の厳しい環境下でウィルダー氏が挑戦するゲイシャ品種。氷で冷やせばとびきり贅沢なアイスコーヒーに。
NEW!
期待の新星!「サン・フェリぺ」
- 「サン・フェリペ」
フルシティロースト 200g
1,600円(税込1,728円) - 待望のデビュー!
ペルー北部にてウィルダー氏が農業指導する優良生産者のコーヒー。
農地の標高はなんと2,000m〜2,500m。
控えめに言っても南米大陸最高標高かもしれません。
2022年の産地訪問で出会えた奇跡のコーヒーをどうぞご体感ください!
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運命の出会いは偶然に -ウィルダー氏と堀口珈琲‐
ペルー北部、ハエンの街から車で1時間半、そこからさらに徒歩で45分。
谷を下って、川を渡り、山を登る険しい道のり。高低差は400m。舗装されていない道は雨でぬかるみ、おまけにラバのフンもそこら中に転がっています。
「……もう、帰る」
生豆買付担当若林(現社長)と同行したスタッフ小野塚はあまりの辛さに途中で音を上げましたが、そこで諦めて道を戻っていたら、ウィルダー・ガルシア氏と出会うこともなかったのかもしれません。
そもそも、フェスパ農園を視察する予定はありませんでした。
2014年6月。優良産地コロンビア南部ナリーニョ県の視察に合わせて、ペルー初訪問を敢行。ペルー北部はコロンビア南部と距離的に近く、また地理的状況も似ているため、当時からコーヒーの栽培環境として高いポテンシャルを秘めていると考えていました。
初めてペルーの地に足を踏み入れ、息を巻いていた矢先。諸事情により当初予定していた農地視察スケジュールが全て白紙状態に。さて、どうするか……。途方に暮れつつ、その場で急遽訪問することになったのがフェスパ農園でした。
偶然に身を任せ、険しい道のりを半信半疑で歩みを進めた先にフェスパ農園に辿り着き、私たちは幸運にもウィルダー・ガルシア氏と出会うことができたのです。
現地でのカッピングは衝撃的でした。
周辺農家の生産するコーヒーも含め様々なコーヒーが机上に並んでいましたが、飛びぬけて素晴らしい品質のコーヒーが2つ。それが、フェスパ農園のブルボン品種とカトゥーラ品種でした。
もしかしたら、フェスパ農園に辿り着くまでの苦労や達成感で、カップの評価が上乗せされているのかもしれない。そう疑い「一回冷静になって、明日もう一度カッピングしてみよう……」という結論に至りましたが、翌日のカッピングでも評価は変わりませんでした。
その場で全量買い付けることを決め、堀口珈琲とウィルダー・ガルシア氏とのお付き合いがスタートします。
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ここがすごいよ!ウィルダー・ガルシア
寡黙で人見知り。シャイな性格ですが、堅実でコーヒーへの情熱に熱い男、ウィルダー・ガルシア氏。出会いは偶然でしたが、彼が飛びぬけて優れた品質のコーヒーを生みだすのには、確かな理由と背景がありました。
コーヒー栽培に恵まれた立地環境
祖父の代から続くコーヒー農家の息子として生まれたウィルダー氏。高校卒業後は現地のコーヒー輸出会社主催の農園指導員研修に参加し、農法指導士として従事する傍ら、そこで学んだ農法を実家の農地で実践し、生産量と品質を向上させていきます。ウィルダー氏のやり方に当初は大反対していた父親も、徐々に彼の実力を認め、やがて農園経営を任せるようになります。
ペルーは小規模農家が多く平均農地面積は0.5ha〜1haであるのに対し、ウィルダー氏が受け継いだ農地の面積は11ha(東京ドーム2.4個分)。最上部は2,000mを超える程の高標高で、急峻な斜面は水はけもよく、風が通りやすいこともコーヒーの栽培に好影響を及ぼします。
広い農地と、コーヒー栽培に恵まれた立地。フェスパ農園には高品質なコーヒーを一定の規模で生産し続けることを可能とする条件が揃っているのです。
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ウィルダー・ガルシアの挑戦
偶然出会い、衝撃的なカッピングを経て、全量買い付けることを決めた2014年。
そこから毎年のように訪問し、精製・乾燥工程のブラッシュアップ、ドライミル工程における選別精度の改善など、二人三脚となって品質向上に向けた取り組みを続けてきました。
中でも象徴的な取り組みの一つは新たな品種栽培への挑戦です。もともとフェスパ農園には祖父の代から植えられてきたブルボン品種区画とカティモール品種区画、ウィルダー氏が植えたカトゥーラ品種区画、そして牧草地(遊休地)と開拓せずに保護している林が広がっていました。
ブルボン品種とカトゥーラ品種が飛びぬけて優れた品質であったことは前述の通りですが、好奇心旺盛で試行錯誤の努力を怠らないウィルダー氏は新しい品種栽培へのチャレンジにも意欲的でした。話し合いを進める中で、私たちは彼にティピカ品種の栽培を打診、牧草地となっていたエリアに新たに新植し栽培をスタートしたのは2015年のことでした。
新しい農地に、どの品種を植えるか。その選択は非常に重要です。品種によって収穫量、病害虫への耐性などが異なるため、どの品種を植えるかは、その後の農家の収入にも直結します。そのため、私たちは容易に栽培品種の打診をすることはありません。しかしながら、ウィルダー氏にはその責任の重さを含め、打診するに値する信頼と覚悟がありました。
左:新植した頃のティピカ農地 右:現在のティピカ農地
2017年のファーストクロップから年々進化を遂げ、今ではティピカ品種特有の滑らかな質感とエレガントな香りを備えた素晴らしいコーヒーを毎年届けてくれています。その後、イエローブルボン、パカマラ、ゲイシャと試験的に栽培を始めた品種が続々と届きます。その品質の素晴らしさは、既に多くの皆様がご存知の通りです。
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ウィルダー氏と堀口珈琲の挑戦は新たなフェーズへ
毎年のようにフェスパ農園を訪れて関係性を構築してきましたが、2020年以降はコロナウイルスの影響でしばらく訪問ができない状況が続いておりました。しかしながら、昨年、久しぶりにペルーへの産地訪問が実現しました。
進化を続けるウィルダー氏
数年ぶりにお会いしたウィルダー氏。すっかり(お腹周りの)貫禄が増していましたが、品質向上のための取り組みにぬかりはなく、今もなお進化を続けていました。
例えば、下の写真は新たに新設された「チェリーシューター」です。
収穫作業の際にピッカーの方々が収穫したコーヒーチェリーを水と一緒に「チェリーシューター」に投入すると、農地の高低差を活かして設置されたパイプの中をコーヒーチェリーが滑り落ちていき、農地の一番下に位置する精製場まで簡単に運ぶことができる仕組みになっています。これにより、収穫作業の生産性向上だけでなく、ピッカーの作業が楽になることで彼らの集中力を維持し、より精度の高い収穫につなげることができると言います。
他にも、精製場においてもパルパー(果肉除去機)を新設していたり、発酵タンクを使用した効率的な方法に変更されていたり、乾燥場においても新たな乾燥ベッドが新設中であったり、さらにはカッピングルームや従業員宿舎が建設中であったりと、惜しみなく設備投資を続けていました。
ちなみに、農園までの険しすぎる(高低差400m、徒歩45分)道も、行政と掛け合って半分をウィルダー氏が出資することで道路を開通させ、今では車で行けるようになっています。
そしてもう一つ、超重要なトピックがあります。
それが今回初めて販売するに至った「サン・フェリペ」のコーヒーとの出会いです。
南米最高標高?!最果ての地で出会った奇跡のコーヒー
農法指導士でもあるウィルダー氏に対し、私たちは彼自身のコーヒーだけでなく、ポテンシャルのある生産者の発掘とその指導をリクエストしてきました。 周辺農家への技術指導・支援による地域全体としての発展は彼自身の夢でもあったため、快諾して挑戦してくれていましたが、ウィルダー氏と同等のレベルで仕事ができる生産者にはなかなか巡り合えない状況が続きます。それはペルーにおいてウィルダー氏がいかに特別な生産者であるかを浮き彫りにもさせました。
さらにコロナ禍で我々が訪問できなくなってしまったことで取り組みは停滞していましたが、渡航が可能になって間もない2022年7月のペルー訪問で最大級のポテンシャルを備えた生産者に辿り着くことができました。
ハエンの街から、サン・フェリペの街まで車で3時間半。そこからさらに車1台が通れる程度のガードレールのない山道をひたすら進み、これ以上先には道のない言わば“最果ての地”にその集落はありました。
車を降りた地点の標高は手元の計測機で2,300m。そこから更にコーヒー農地を見上げることができ、目測で2,500m辺りまでコーヒーの木が植えられているのを確認できました。生豆バイヤー大瀧の胸が高鳴ります。というのも、南米はおろか、世界中を見渡してもここまで標高の高いコーヒー農地はめったにありません。控えめに言っても「南米大陸最高標高」でしょう。
しかも、そんな突出した環境にティピカやブルボンなどの伝統品種が残されていたのです!
ウィルダー氏は数年前にこの地区の生産者に対して農法指導を行い、その中の8生産者がウィルダー氏の推奨する農法と加工処理を実践しスペシャルティコーヒー市場に打って出ることを決意しました。比較的若い生産者が多く、知識や経験は浅い一方でウィルダー氏の助言に素直に反応し、知識を積極的に吸収するバイタリティがあります。
「環境」が突出しており、「伝統品種」が残されており、「協業できるマインド」をもっていそうな生産者。それが、この「サン・フェリペ」の生産者たちなのです。
サンプルをカッピングしたところ、クリーンかつ密度ある風味が素晴らしく、テーブルに並んだ他の生産者を圧倒していました。買い付けを即決したのは言うまでもありません。精製・乾燥工程の改善など、まだまだ改良できる箇所は多く、さらなる品質向上のポテンシャルも秘めています。
まずは「サン・フェリペ」の素晴らしい風味をお試しください。そして、今後どのような発展を遂げていくのか、ここまで読んでいただいた皆様には進化する堀口珈琲のペルーの「見届け人」となっていただきたいと思います!
人気「フェスパ農園」
- 「フェスパ農園 ブルボン」
シティロースト 200g
1,650円(税込1,782円) - 現地での初カッピングで生豆買付担当が衝撃を受けたブルボン品種。究極のマイルドコーヒー。
- 「フェスパ農園 ティピカ」
フレンチロースト 200g
1,650円(税込1,782円) - 堀口珈琲が栽培を打診し、二人三脚で育んできた珠玉のティピカ品種。滑らか、華やか、エレガントな深煎り。
- 「フェスパ農園 ゲイシャ」
フレンチロースト 100g
1,900円(税込2,052円) - 最高標高区画の厳しい環境下でウィルダー氏が挑戦するゲイシャ品種。この季節、氷で冷やせばとびきり贅沢なアイスコーヒーに。
NEW!
期待の新星!「サン・フェリぺ」
- 「サン・フェリペ」
フルシティロースト 200g
1,600円(税込1,728円) - 待望のデビュー!
ペルー北部にてウィルダー氏が農業指導する優良生産者のコーヒー。
農地の標高はなんと2,000m〜2,500m。
控えめに言っても南米大陸最高標高かもしれません。
2022年の産地訪問で出会えた奇跡のコーヒーをどうぞご体感ください!