風味の傾向
次に「風味の傾向」です。
自分好みのコーヒーを選ぶためには一番大切な要素かもしれません。
そんな大切なパートは、日々コーヒーの風味に向き合っているこちらのスタッフに登場してもらいましょう。
堀口珈琲 主任ブレンダー
秦 はる香
2013年に堀口珈琲入社。2016年に上原店へ異動、焙煎を学ぶ。
その後、狛江店で焙煎を担当し、2019年に横浜ロースタリー製造部へ。2020年より主任ブレンダーを務める。
製造部の”眼鏡の人”。
書籍から関連書籍へ掘っていくような、芋づる式の読書が趣味。その他は、散歩、音楽、お酒、朝のラジオが好き。
みなさまが「コスタリカのコーヒー」ときいて、イメージするものはどんなものでしょうか。
クリーン、華やか、上品、果実感、滑らか……。
精製方法や品種など、各生産者が自分の考えを持ちながら様々な取り組みを農園ごとに積極的に行っているコスタリカは、生産されたコーヒーの味わいもそれぞれの個性に溢れています。そのため、エリアごとに一括りにして風味の違いをお伝えすることはなかなか難しいのですが、沢山のコスタリカのコーヒーを毎年取り扱っている堀口珈琲だからこそ発見できる傾向は確かに感じられます。
【チリポ】 - 滑らかな質感と品の良さ -
チリポのコーヒーの魅力は“滑らかな質感と品の良さ“にあります。
柑橘果実の華やかな酸、チョコレートのような滑らかなコク、澄んだ甘さがそっと残る。そんなニュアンスが感じられます。どこか落ち着いた印象で酸とコクのバランスが良い。そんな風味のコーヒーが多いエリアです。
【タラス】 - 厚みのあるボディと複雑な果実感 -
一方でタラスのコーヒーの魅力は“厚みのあるボディと複雑な果実感”。
厚みのあるボディ感にフローラルな香り。軽やかな柑橘果実の酸をベースに南国果実や白い果実などのニュアンスが溶け込んだような複雑な果実感と品の良い甘さが感じられます。多くのマイクロミルがしのぎを削り様々な精製方法や品種にチャレンジしており、またタラスというエリアの中でも地形や気候が多様であることなども影響して、チリポに比べてフレーバーの複雑さや多様性が感じられるエリアです。