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エチオピアの【ウォルカ】集落指定ロット。
数あるシングルオリジンの中でも、堀口珈琲の追求心や開拓魂をわかりやすく象徴している商品かもしれません。
昨年に4つの集落指定ロットを初めて販売して以来、瞬く間に当店の人気商品となりました。
ブレンドを創作する上でも欠かせない素材の一つで、その秀逸さから昨年11月に発売したコーヒービールの副原料にも抜擢しています。
ウォルカ未体験の方へは「とにかく飲んでみて！」と手放しにおすすめしたくなる気持ちを抑えつつ、本特集ではウォルカの魅力をじっくりお伝えしていきます。
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ウォルカ集落指定ロット 商品化までの道のり
・堀口珈琲がなぜウォルカに注目したのか？
・どのように４つの集落指定ロットを商品化したのか？
・なぜ集落指定ロットにこだわったのか？
まずはこの３つの質問に答える形で、ウォルカ集落指定ロット商品化までの道のりを振り返っていきたいと思います。
堀口珈琲がなぜウォルカに注目したのか？
世界的にも有名なエチオピアのコーヒー名産地イルガチェフェ。世界中のロースターが注目する地域で、当店も創業当初から熱い視線を送り続けてきました。イルガチェフェ地域にはウェナゴ、イルガチェフェ、コチェレ、ゲデブの４つの地区があり、堀口珈琲では品質的な観点からウェナゴ地区は扱ってきませんでしたが、残りの３つの地区から様々なコーヒーを長年に渡り扱ってきました。
その過程で、イルガチェフェの中心地から最も遠くアクセスの悪いゲデブ地区がより標高が高い傾向にあり、品質も優れていることが見えてきました。「環境的には好条件で、味わいの傾向から見てもこれからはゲデブに注目すべき。深堀りしたらもっとすごいコーヒーが出てくるはず！」。生豆バイヤー若林（現社長）の開拓魂に火が付きます。サンプルチェック、輸出業者への聞き取り調査、ゲデブでの現地取材を経て、出会ったのがウォルカウォッシングステーションのコーヒーです。
どのように４つの集落指定ロットを商品化したのか？
ゲデブで出会ったウォルカのコーヒーは、期待通り素晴らしい品質でした。ただ、そこで留まらず生豆バイヤー若林はさらに一歩踏み込みます。
「良いコーヒーはどっちからきますか？」
「それはなんて名前の集落ですか？」
現地を訪問し、アンケート調査を行いました。というのも、いくつかの集落から集められたコーヒーには品質に若干のばらつきがあることがわかったからです。
2018年の訪問時、現地での聞き取り調査で１番人気だったのが「ハロ・ハディ」集落。その場ですぐに「ハロ・ハディ集落のコーヒーだけで商品を作ってくれませんか？」と依頼をしました。届いたロットの仕上がりは予想以上に良く、クリーンさ、ボディ、フレーバーが明確に異なっていました。「これはいける！」とさらなる追求魂が燃え上がり、翌年の現地訪問にてさらなる取材を進め、「クレイウォット」「アダメ・マゾリョ」「ウレインチニーチャ」の３つの商品化が実現し、2020年、4つの集落のコーヒーを販売するに至りました。
なぜ集落指定ロットにこだわったのか？
エチオピアのコーヒーの多くは「ウォッシングステーション（以下「ステーション」という）」という精製施設を単位とする商品です。ステーションにはそのエリアのあらゆる集落、農家で収穫されたコーヒーが集まってくるため、度重なる選別を繰り返すとはいえ、精製を始める段階では熟度に多少のバラつきがあるのも事実です。より熟度の高いコーヒーのみで揃えられないか。よりトレーサビリティの明確な商品をつくれないか。そして、それが味わいの差異に繋がるのではないか。集落指定ロットは、そのような追求心が具現化された商品です。
集落指定のエチオピアのコーヒーは、日本でも類を見ない試みです。４つの集落のコーヒーは共通して素晴らしい品質でありながら、味わいに明確な個性が感じられ、社内に衝撃を与えました。2021年に４つの集落のコーヒーを販売して間もなく、リピーター続出の人気商品となりました。
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魅惑のウレインチニーチャ集落
今回販売するのは４つの集落のうち「ウレインチニーチャ」集落のコーヒーです。
さあ、それでは写真をご覧いただきながら集落の紹介を……と進めたいところですが、残念ながら現地の写真がありません。というのも、2019年に生豆調達担当がウォルカを訪れた際、他の３つの集落へは足を運べたのですが「ウレインチニーチャ」集落だけは道があまりにも険しく、往復する時間もなかったために辿り着くことができませんでした。それほど山深く急峻な立地にある集落なのだろうと想像しています。2020年以降はコロナウィルスの影響で現地訪問も実現できておらず、集落の写真や詳細な情報は入手できていないのですが、現地から届くコーヒーには個性的な魅力がギュッと詰まっていて、それ故に私たちを魅了してやみません。
ウォルカ4集落のコーヒーは共通して華やかな果実感を備えていますが、「ウレインチニーチャ」集落のコーヒーの特徴は“しっかりとしたボディ”です。その厚みのあるとろんとした質感と充実した果実感の相乗効果は絶品。口に含むと華やかな香りが立ち上がり、果実感を伴った甘みが余韻までながく続きます。
ウォルカのコーヒーは当店のブレンドCLASSICシリーズを創作する上で欠かせない素材のひとつです。世界的なコンテナ不足を背景にした物流網の混乱の影響で入港が遅れたため、昨年秋には急遽空輸をしてブレンドを作り続けました。また、その秀逸なキャラクターから、昨年11月に発売したCOEDOブルワリーとのコーヒー×ビールのコラボレーション第４弾の素材にも抜擢しました。
遅れていたコンテナも無事に入港し、ようやくシングルオリジンでお届けすることができます。昨年飲んで既に虜の皆様はもちろん、未体験の皆様も是非その魅力を体感していただきたいと思います。
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【ウォルカ】ウレインチニーチャを味わい尽くす３選
■「【ウォルカ】ウレインチニーチャ」
ハイロースト
フローラルな香り。ハチミツレモンの様な明るい酸と甘み。微かにスパイスの様なニュアンスもあり、味わいに複雑さが感じられます。この集落の特徴の一つでもあるボディの強さが、ハイローストでもふくよか且つ滑らかな触感として表れています。
■「【ウォルカ】ウレインチニーチャ」
シティロースト
ラウンド感があり滑らかな触感。ベルガモットの様な華やかなフレーバーと柑橘果実やプラムの様なジューシーな酸が特徴です。冷めてくるとスパイシーなニュアンスも感じとることができます。飲み進める度に、様々な表情を見せてくれる複雑さが魅力のコーヒーです。
■「【ウォルカ】ウレインチニーチャ」
フレンチロースト
口に含んだ瞬間に感じられる豊かなボディとシルキーな触感。深煎りにすることで最大限に引き出された甘みと、完熟果実やハーブを連想させる複雑且つ華やかなフレーバーが特徴です。飲み下した後も心地よい余韻が感じられる上品な味わいのコーヒーです。
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素材としての魅力�� ブレンドCLASSICシリーズ
単一商品においても突出した個性と味わいの複雑さを呈するウォルカのコーヒーは、ブレンドをスペシャリテとする堀口珈琲にとって「ブレンドする意味とは何か」という問いを改めて投げかけてきた存在です。そして、2021年のブレンドリニューアルにおいて堀口珈琲のブレンドをさらなる高みへと引き上げてくれた存在でもあります。
今回販売する「ウレインチニーチャ」集落のコーヒーは瑞々しい果実感、白い花のような華やかな香り、厚みのあるボディが特徴的です。＃１BRIGHT＆CITRUSYではウレインチニーチャの果実を連想させる瑞々しい酸が主軸となり、＃２FLOWERY＆JUICYでは華やかな香りとジューシーな果実感でブレンドの味づくりにおける重要な役割を担っています。そして、その明るく華やかなフレーバーだけでなく、ほのかに感じられるスパイシーなニュアンスがブレンドにさらなる複雑さを与え、厚みのあるとろんとした質感が奥行きを演出しています。
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素材としての魅力�▲魁璽辧次潺咫璽襪離灰薀椒譟璽轡腑鵝愎ス瓠�
堀口珈琲×COEDOブルワリーによる「コーヒー×ビール」のコラボレーション第4弾。昨年11月に『黒艶』と『織香』の2種類を同時に販売し、一度は完売しておりましたがご好評につき追加した在庫を現在も販売中です。
創作にあたっては、シングルオリジンとブレンド、浅煎りと深煎りを問わず片っ端から試作を行い、ビールとの相性を試していきました。そこでたどり着いた答えは、コーヒーの持つ「香りと味の果実感」がコラボレーション製品に相乗効果をもたらす最大の要素である、ということ。そして、複雑かつ明瞭な「果実感」を備えた最適な素材として選択したのがウォルカのコーヒーでした。
深い焙煎由来のスモーキーな味わいではなく、比較的浅い焙煎の時に表れる「明るく華やかな果実感」を、麦芽由来のコクと甘みやホップの苦味とうまく調和させながらビールの中に溶け込ませたい。そのために、「明るく華やかな果実感」をよりよく備えたウレインチニーチャ」集落のコーヒーを『織香』の素材として選択しました。それを「シティロースト」で仕上げ、「果実感」を中心に「甘み」「苦味」もバランスよく取り出しました。これらの要素をドイツの伝統的スタイルの「アルト」に溶け込ませ、コーヒーとビールそれぞれの「コク」と「甘み」が調和しながら、コーヒー由来の「果実感」を香りと余韻で楽しむことのできる、新しいスタイルの「コーヒービール」として完成させました。
「ウレインチニーチャ」集落のコーヒーの個性が、ベースビールと融合しどのような相乗効果を生み出しているのか、確かめながら楽しんでいただければ幸いです。
【追記】こちらはご好評につき完売いたしました。ありがとうございました。
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さいごに
浅煎りでも、深煎りでも。シングルオリジンでも、ブレンドでも。さらには、コーヒービールでも。ウォルカの魅力は止まりません。
今回販売する「ウレインチニーチャ」集落以外の３つの集落（「ハロ・ハディ」「クレイウォット」「アダメ・マゾリョ」）のコーヒーも順次お届けしていく予定です。
そして、ウォッシュト精製のコーヒーに次いで、ナチュラル精製のコーヒーも無事に入港しておりますので、ご期待ください！
