<主任ブレンダー秦のコメント>
チリポエリアのコーヒーです。華やかで明るい柑橘の酸と滑らかで甘いコクが特徴です。厳しい環境で育ったことが伺える圧巻のボディ感。深く焙煎することで、しっかりとしたボディ感が一層引き立っています。
農園主:ジョニー・アルバラード・アバルカ氏
地域:サン・ホセ州ペレス・セレドン市リバス、ピエドラ
品種:カトゥアイ
精製:機械的にミューシレージを除去するウォッシュト
コスタリカは北にニカラグア、南にパナマと接しています。サンホセ州はコスタリカ中央部、赤い点線で囲んだ部分です。人口は約140万人、州北西部には首都サンホセがあります。(地図データ: Google、DigitalGlobe)
サン・ホセ州を俯瞰した地図。奥の首都サン・ホセに比べ、農園のある手前のチリポ山付近(赤丸で囲まれた地域)は森と谷に囲まれた地域です。首都では1,000mぐらいの標高も、チリポ山(3,727m)に向かうにつれてだんだんと高くなっていきます。(地図データ: Google、DigitalGlobe)
車で向かうにも一苦労。コスタリカやコロンビア南部の産地はとにかく急勾配で曲がりくねった道が多いです。それだけ急激な標高差が生まれているという事でもありますが、訪問するにはなかなか骨が折れます。
農地「エル・サリトレ」の様子。10区画に分けられていて、標高の高い区画では霧が発生することが多く、標高以上に冷涼な環境です。また、風も強く、これまで多くの樹が枯れてしまいました。
それでも丁寧に根気強く育てることで、糖度がたっぷりと詰まったチェリーが生まれるのです。
「BIENVENIDOS」はスペイン語で「ようこそ」という意味です。ここまでしっかりした看板を作る農園はそうありません。訪問する人に対してオープンなスタンスはコーヒー生産に対する自信の表れなのでしょうか。
ジョニーさんが所有するエル・サリトレ農地の区画を分かりやすく地図にしてもらいました。1番が今回販売する「シェリ・バタ」です。
ここからはマイクロミルの様子をご紹介します。「コラソン・デ・ヘスス」とはスペイン語で「イエスの心」という意味。インパクトがあって覚えやすいですね。
ウェットミルの設備。設立当初のもの(上)から新調(下)されています。利益をしっかり品質向上のための設備投資に当てられる生産者の方はいそうでなかなかいないものです。
ここにチェリーを投入して精製が始まります。
果肉除去機(パルパー)でチェリーの果肉を取り除いたのち、クリバと呼ばれる選別機にて不純物を除去します。その後豆の表面に付着しているミューシレージを機械的に除去し、乾燥にかけられるという流れで進みます。
ビニールシートカバー付のドライベッド。棚はそれぞれ番号を振って管理されています。乾燥は12日から15日間行われます。ジョニーさんはスタッフに対し、パーチメントコーヒーの撹拌方法を細かく指導しています。
乾燥後はグレインプロと呼ばれる袋に詰められ倉庫にて保管され、豆の水分値を安定させます。グレインプロは麻袋に比べ温度や湿気に強く、酸素や水分の侵入も防ぎやすくなっています。遮光効果もあり、そしてかなり丈夫です。

管理者のジョニー・アルバラード・アバルカさんとご家族。せっかちな性格ですが、その割には神経質な面もあるとか。品質向上に熱心で、当社のスタッフが訪れた際には、乾燥場の改良のために他の産地で優れたものはなかったか?と知識の吸収にも貪欲でした。