<ロースター秦のコメント>
芳醇な香り、厚みのある口当たりと、イチゴのような風味がしっかりと感じられます。滑らかな質感と余韻にのこるしっかりとした複雑な甘さは、どこかキャラメルのようです。シティローストながらも濃密な味わいに仕上がっています。
生産者:ファン・ラモン氏
地域:サン・ホセ州レオンコルテス市サンイシドロ
標高:1,965〜2,050m
品種:ビジャサルチ
精製:ナチュラル
❁.。.:*:.。.✽ For Holidays! ❁.。.:*:.。.✽
クリスマスに向けて街にはケーキやパイなどの洋菓子が並びます。どれも美味しそうでついつい買ってしまいたくなりますよね。また、年末年始の贈り物で甘いものをいただくことも多いかもしれません。 合わせる飲み物はどうしよう。。。コーヒー?紅茶?日本茶?
「For Holidays」と記載しているコーヒーはそんな時にぜひ合わせていただきたいコーヒーです。チョコラティな甘みやナチュラルの果実感はお菓子と相性抜群!味わいのイメージに合わせてお好みのお菓子とともにぜひお試しください!
コスタリカは北にニカラグア、南にパナマと接しています。サンホセ州はコスタリカ中央部、赤い点線で囲んだ部分です。人口は約140万人、州北西部には首都サンホセがあります。(地図データ: Google、DigitalGlobe)
ドン・ホセ農地はタラス(首都サン・ホセから南に40kmほど行ったエリア)のレオンコルテス市サンパブロに位置しています。タラスの生産地紹介では一般的に1,200〜1,900mくらいでコーヒー生産されているとありますが、ドン・ホセは1,965〜2,050mもあります。
ファン・ラモンさんはもともとセントラルバレーにミルと農地を所有しています。ただ、この地域は首都サンホセの都市部に隣接していて、発展とともに都市化の波が押し寄せてきています。そのため地価は高騰し、多額の税金を支払う必要に迫られ、将来的には農地の大半を手放さなければならなくなると考えています。ファン・ラモンさんはコーヒー以外のビジネスも行っており、さらに土地を売却することで資産を手にすることができるようになります。しかし、一方でコーヒー生産者の家に生まれ、コスタリカの名門農学部を出て、コーヒー生産に従事し続けてきたことから、将来もコーヒー生産を続けたいと考えています。そこで、都市化の影響を受けていないタラスで新たな農地を作るため、2012年にドン・ホセ農地を取得しました。
土地を購入する際に意識したのは、他の生産者がチャレンジしてこなかった非常に標高の高い場所でのコーヒー生産です。取得した当初は、こんなところにコーヒーが育つわけがないと周囲からいわれましたが、コーヒーが育つのを目の当たりにした結果、近隣の地価が高騰する事態を引き起こしました。そのため、農地を拡充しようと考えていましたが、土地を買い足すことができなくなってしまったそうです。
これから特別なコーヒーを産出するであろう農地には他界した父の名Jose(ホセ)をつけました。農地の標高の高さは、気温の低さ・寒暖の大きさをもたらし、コーヒーチェリーの生育を緩やかにするため、うまく管理できれば優れた品質を実現できます。ただ、この農地は標高が高すぎるため管理のハードルも高く、優れた農業技師であるファン・ラモンさんだからこそ大きな問題に直面せずに生産できています。ただし、SL28品種は寒さによって全滅してしまいました。
左から2番目のいかつい体をした方が管理者のファン・ラモンさん。優れた農業技師としてコスタリカ国内で多くの尊敬を集めている方です。
ここはゲイシャ品種の農地です。ファン・ラモンさんは原産地であるエチオピアと同じような環境を再現して栽培したいと考え、高木に覆われた林のなかに植えています。この風景はコスタリカにおいては特殊といえます。標高が高い上に高木が広がっているため日照量も少なくなり、生育に時間がかなりかかりました。
セントラルバレーにあるブルマス・デル・スルキミル。今まではハニープロセスを中心にコーヒーを作ってきましたが、ドン・ホセを取得したことで、自身のコーヒー栽培の知識・経験を更に高めることができるようになりました。大いなる可能性を秘めたドン・ホセのコーヒーをぜひご賞味ください。