<ロースター秦のコメント>
熱い内は、クランベリーのような品の良い香りが楽しめ、冷めていく内に干しブドウを連想させる複雑な甘みが顔を出します。フレンチローストでは更にカカオのようなフレーバーも加わります。とろんとした質感と、しっかりとした甘い後味はまさにビターチョコレートを連想させます。
地域:オロミア州ゲラ地区チラ村
標高:2,040m〜2,200m
生産者:フンダ・オリステーション周辺の農家
品種:在来品種
精製:ナチュラル
「フンダ・オリ」のウォッシングステーションについてご紹介いたします。ジンマエリアについてはこれまで情報が少なかったのですが、徐々に現地の様子が収集できるようになってきました。今回販売するのはナチュラル精製のコーヒーですが、ご紹介する写真にはウォッシュト精製のものも含まれております。

ウォッシュト精製の場合、収穫され集められたチェリーはこちらのホッパーに流し込まれ、精製が始まります。
ホッパーの先はこちらの機械に繋がっており、ここで異物(石や葉っぱなど)の排除や果皮、果肉を除去します。
その後は豆に付着した粘着質のミューシレージを落とすために発酵槽で貯められます。ここで約12時間のウェットファーメンテーション(ミューシレージの自然発酵によってそれを除去すること)にかけられます。

そして乾燥です。直射日光を避けるために屋根がついています。乾燥中はただ日を当てればよいというわけではなく、豆へのストレスが可能な限りかからず乾燥を進行させるため、適切な温度になるよう日射量を調整しまた攪拌作業も行う必要があります。屋根がないところではカバーを使用しています。
ナチュラル精製の場合、収穫され粗選別を終えた豆はこの乾燥棚に直行します。
ナチュラル精製の乾燥風景はこちら。そのまま食べても美味しそうな熟したチェリーですね。
※フンダ・オリとは別のステーションでの様子
乾燥を終えた豆はこちらの倉庫で一次的に保管され、ドライミルへと運ばれていきます。
乾燥後のチェリーを脱穀して生豆の状態にした後、選別する工程をドライミルといいます。
ドライミルは一般に大規模で、さまざまな設備で構成されます。設置には多額の資本が必要とされるため、ドライミルの数はウェットミルに比べて格段に少なく、その所有者も国営や大農園、輸出業者などに資金力のある者に限られるのが普通です。
エチオピアの首都アジス・アベバにあるこのドライミルは比較的最近建設されたものです。
新しいだけあって非常に綺麗です。最新の選別機も設置されており、特にナチュラルのコーヒーにおいてこの工程での選別精度向上は品質を高める上でとても重要です。
こちらは比重選別機です。斜めに設置された板が振動することによって、重さごとに生豆を分けることができます。この選別機では何本も杭が打たれており、豆がまんべんなく広がるような工夫が施されています。
見にくいですがこれはスクリーン選別機です。ふるい(穴の開いた板)を積み重ね、振動にかけます。するとスクリーンサイズ(大きさ)の小さい豆ほど下に落ちてくる仕組みです。
カラーソーターと呼ばれる選別機です。生豆の色づきによって選別します。かなりデジタル化された機械で、豆を流すと一瞬のうちに記録された色と比較して選別されていきます。
生豆の保管スペースも十分確保されており、扱う豆が増えていったとしてもそれに対する処理能力は十分にあります。ここで保管された後、世界中の消費国に続々と輸出されていきます。