<ロースター秦からの紹介>
ウイラらしいクリーミーな質感と柑橘系の果物、完熟したカシスのようなフレーバー。それに加えてほのかにバニラのような甘い風味があり、複雑な風味をもつコーヒーです。風味の複雑さがありつつ、酸コク甘みのバランスに優れた深煎りです。
生産者:ペドロ・ネル・ベタンコート氏
地域:ウイラ県ピタル市
標高:1,800m〜1,920m
品種:カトゥーラ
精製:発酵槽工程を経るウォッシュト
■ 堀口珈琲の深煎り ■
私たちは創業当初から"深煎り"に強いこだわりを持っています。常に、煙臭さや焦げ臭さとは無縁のクリーンな仕上がり。それでいて様々な味わいや質感がお楽しみいただける"豊かさ"も兼ね備える深煎りコーヒーを目指しています。それは、長いお付き合いの皆様はよくご存知かもしれません。
今、それを存分に味わっていただく絶好のチャンスです。
現在非常に魅力的なラインナップが多く顔を揃えております。通年通してここまで深煎りが充実することは珍しいかもしれません。本格的に寒くなる冬本番に向けて、飲みごたえのあるコーヒーでじっくりゆっくり温まる準備をしてみてはいかがでしょうか。個性豊かな旬の深煎りを楽しむなら今です!ご紹介した「ラ・パルミラ農園」に加え、こちらのコーヒーも併せてお試しください!
<産地紹介>


こちらがパルミラ農園。農地は1,900mを超える標高にあり、たどり着くにも上の写真のような急こう配かつ急カーブな道を行かなければなりません。この道を収穫したコーヒーを持って降りるのはかなりの負担です。ここの農園ではありませんが、別の近くの農家では天候不良によって道が通れず、収穫したコーヒーの大半を精製したにも関わらず倉庫で眠ったままにしてしまう、ということもあったそうです。

農地ではカトゥーラ品種(90%)とコロンビア品種(10%)を植えています。現地では生産性の高いコロンビア品種が人気ですが、ベタンコートさんはカップクオリティの面でカトゥーラ品種の方が優れていると考えているそうです。
標高が高く、地形としても冷涼な環境。そのためかコーヒーの樹は病気にほとんどかかったことがないと言います。
汚れの溜まりやすい発酵槽(脱肉したパーチメントコーヒーを一時的に置いておく槽)も非常に清潔に保たれています。ウェットミルの稼働時期にここまで綺麗なのはしっかりと手入れをしている証拠です。
脱肉後はドライファーメンテーションを24〜28時間行い、そこから洗浄を4回(3回洗い、翌日1回)繰り返しています。だいぶ念入りです。気温が低く自然発酵の進行が遅いため、ミューシレージ(生豆を覆う粘着質の層)の分解にも時間がかかる傾向にあります。
彼が農園主のペドロ・ネル・ベタンコートさんです。とても怖そうな印象ですが、非常に真面目で勉強熱心。現地の農業指導員とも密にコミュニケーションを取り、常に改善を目指しています。私達に対しても熱心に説明しながら隅々まで案内をしていただきました。
周りにある黒いタンクはフローティングタンクです。(コーヒーよりは小さい)穴の開いた容器にコーヒーを入れてこのタンクに沈めます。そこで過熟や未熟、傷のある豆などは浮いてくるので取り除きます。その後容器を上げ、水だけ抜いて良いコーヒーのみを取り出すという仕組みです。まだ試験段階ですが本格的に導入されればより選別の精度が上がるでしょう。
乾燥工程に入る前に室内にあるこのザルでハンドソーティングを行います。
乾燥は15日〜20日行い、乾燥ムラを防ぐ撹拌作業は1日に3回ほど。乾燥場は現在最優先で改修しなければならないと考えているそうで、通気性を良くするために天井を上げ、アフリカンベッドを導入したいと語っていました。
農地に移す前の苗木もありました。
現地の生産者では珍しく、エスプレッソを飲むそうです。それも毎日。いつか当店で焙煎した彼のコーヒーをプレゼントしたいです。

農家といえばやはり犬。ここにも3匹ほどいました。農地を案内していただいている間、ずっとベタンコートさんに引っ付き離れませんでした。
最後に渾身の笑顔をリクエストしたところ、要望に応えてくれました。