<主任ブレンダー秦のコメント>
香りは華やかながらも濃厚な口当たりを感じさせ、品の良さと重厚さを兼ね備えたコーヒーです。シルクのような質感の中に、カカオのような風味や熟したカシスの果物を連想させる甘みが感じられます。クリーンで複雑な素晴らしいコーヒーです。
所有:ファジャス・モラ家
地域:サン・ホセ州レオンコルテス市サンフランシスコ
標高:1,860〜1,960m
品種:カトゥアイ
精製:機械的にミューシレージを除去するウォッシュト

彼らが所有するサンフランシスコ農地は4つの区画に分けられています。「カタリーナ」と「エンシノ」には主にカトゥアイ品種が植えられていて、「ビジャサルチ」と「ゲイシャ」ではそれぞれ農地の名前がついた品種が栽培されています。今はまだ収穫量が少なく入荷がありませんが、将来的には皆さまのもとへお届けできるかもしれません。
「カタリーナ」は区画「1」。ウェットミル(Beneficio)に一番近いところに位置しています。また、このカタリーナ区画は4つの区画のなかでも一番標高の高い区画です。

この土地は常に夕方16時頃になると霧に覆われる環境です。標高も高く厳しい寒暖差があるためチェリーの成長管理は非常に大変ですが、その分糖度の高い引き締まったチェリーが実る傾向があります。
こちらがが土壌改善にも使われた「カタリーナ」。この植物をたくさん植えることで、土壌を柔らかくしつつ有機物の蓄積を行っています。
精製設備はコンパクトであるものの、自然の傾斜を利用した無駄のないレイアウトになっており、かつ綺麗に整備されていました。
訪問したときは丁度収穫の真っ盛り。熟したチェリーがピッカーの手によって収穫されています。
収穫されたチェリーはまずフローター選別にかけられます。水に浸けることで、浮いてくる不良豆や異物を取り除くことができます。
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選別されたチェリーをパルパーに通して果皮や果肉を分離させます。下の円筒の形をしたものは不純物を取り除くクリバと呼ばれる機械です。
パルピング後の生豆はまだミューシレージと呼ばれる粘着質の膜で覆われているため、それを取り除く機械にかけられます。
使い終わったらしっかり清掃をするデイネルさん。きれい好きなことが垣間見えます。
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ミューシレージを取り除いた後、最後は乾燥工程です。天候や気温、時間帯によってシートをかけて豆にできるだけストレスがかからないようにしています。
デイネルさんは漢字が好きらしく、訪れたスタッフが漢字の名前をリクエストされたので、その仕事ぶりから「丁寧流(デイネル)」という名前をプレゼントしたところ大変よろこんでくれました。引き続き今育てているコーヒーのクオリティをどんどん高めて行きたいと語ります。その他にも、新しい品種へのトライや、今植えている樹の生育を促し生産量も増やしていきたいと考えているなど、現状に満足していない姿勢が印象的でした。カップの素晴らしさは勿論、仕事のきめ細かさやコーヒーへの情熱は人一倍です。
デイネルさんと彼のお姉さんには3年前の9月に狛江店(現在焙煎機能は横浜ロースタリーに移転しております)を訪れていただきました。とても嬉しそうなスタッフ小林。30秒ほど手を放しませんでした。
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選別機やハンドソーティングの様子をじっくり観察し、どういった豆がはじかれるのか、はじかれる率はどれぐらいか、など質問しながら熱心に説明を聞いてくださいました。ネットショップの商品ページを見せると、とても嬉しそうに「よく撮れているね。これは僕でも買えるの?」。残念、海外発送はしていないので焙煎した豆をプレゼントしました。
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これから長くより深い関係を築いていきたい生産者です。今後も美味しいコーヒーを期待しています。