<ロースター秦のコメント>
しっかりとしたボディ。カカオニブを思わせる品の良い酸とジャムのような甘さ。冷めてくるとカシスやプルーンのような黒い果実系の風味も楽しめます。ケニア全域の作柄が思わしくない中、ここまでクリーンに仕上がっているのはカイナムイが素晴らしいファクトリーであることを決定づけています。
地域:中央州キリニャガ東部Gichugu地区Ngariama
標高:1460〜1750m
品種:SL28、SL34、Ruiru11
精製:発酵槽を使用しソーキングも行うケニアの伝統的ウォッシュト
■ 堀口珈琲の深煎り ■
私たちは創業当初から"深煎り"に強いこだわりを持っています。常に、煙臭さや焦げ臭さとは無縁のクリーンな仕上がり。それでいて様々な味わいや質感がお楽しみいただける"豊かさ"も兼ね備える深煎りコーヒーを目指しています。それは、長いお付き合いの皆様はよくご存知かもしれません。
今、それを存分に味わっていただく絶好のチャンスです。
現在非常に魅力的なラインナップが多く顔を揃えております。通年通してここまで深煎りが充実することは珍しいかもしれません。本格的に寒くなる冬本番に向けて、飲みごたえのあるコーヒーでじっくりゆっくり温まる準備をしてみてはいかがでしょうか。個性豊かな旬の深煎りを楽しむなら今です!ご紹介した「カイナムイファクトリー」に加え、こちらのコーヒーも併せてお試しください!
<産地紹介>

カイナムイファクトリーはケニア最高峰のケニア山の南麓に位置しています。当店でも扱いのあるキウニュファクトリーとは10キロも離れていません。カラツファクトリーとは少し離れています。(地図データ: Google、DigitalGlobe)
カイナムイファクトリーはキリニャガの東部kiamutuguという町から3kmほどにあり、ケニア山の南麓に位置します。設立から50年ほどの歴史があるファクトリーです。
農家の方が収穫したコーヒーチェリーを持ち込んでいました。この作業は換金する前に選別している様子。
ファクトリーマネージャーのパトリック・カムリさん。
ファーメンテーションを終えたパーチメントコーヒーは水路で水洗していきます。カイナムイは水洗工程時に非常にきれいな水を使っています。
特に力をいれていたのが、パーチメントコーヒーの乾燥です。乾燥工程が適切に行われないと品質に影響が出て、商品の価値が下がってしまうため、カイナムイでは水分計を使って科学的に水分値を図り、乾燥状態を見極めていました。水分値が10.5〜11%になるまで乾燥させるそうです。この水分計は各テーブルにつき1つ置かれていました。
アメリカナイズされた若者がハンドソーティングしていました。やはり乾燥工程には神経をつかっているのか、木製の棚やパーチメントコーヒーを広げるための網もまっすぐきれいに貼られていました。歪みやへこみがあるとその部分に豆が溜まってしまい乾燥ムラの原因となることがあります。
乾燥後はこの倉庫で保管されます。レスティングと呼ばれ、豆の水分値や温度を安定化させて豆へのストレスを軽減させる効果があります。
ファクトリーの脇には川が流れており、ここから精製に使用する水を確保しています。ファクトリーやウォッシングステーションの近くには必ずと言っていいほど川があり、また川に向かう傾斜を利用して乾燥ベッドを並べることが多いです。
ファクトリー近くの農地。シェードツリーはサイプレスやグラビレアが使われています。
ナーサリーではケニアで一般的なSL品種に加え、新たに注目されているバティアンという品種も育てられていました。苗の割合としてはSLが1に対し、バティアンは5。バティアンは病気に強いといわれ、また、酸が強く感じられることから最近ケニアで栽培されている品種です。バティアンを植えて安定した収量を求めたい生産国と、一方、SLの複雑で濃縮感のあるカップキャラクターをケニアの魅力と捉え、SL品種などカップキャラクターに優れたコーヒーを植えてほしいと願う消費国の考えにギャップが生まれてしまうことを懸念しています。