TOP > エチオピア一覧
アラビカコーヒー発祥の地であるエチオピア。 フルーティー・フローラル・スパイシーといった様々な言葉で形容されるアロマティックコーヒーの代表産地です。
1,900 円(税込2,052 円)
エチオピア産コーヒーの特徴は【華やかな香り】。フローラルやフルーティー、場合によってはスパイシーなど、わかりやすく華やかな香りが全面に感じられます。 その風味を構成する要素を具体的にみていくと、 ・黄色い柑橘に白桃やマスカットなどよりふくよかな果実も加わり、充実した果実味が感じられる ・香りの華やかさはフローラルをベースに、スパイスの要素も混じることが多い ・質感は“瑞々しい”が主体。標高が高まると“なめらか”という表現も似合うようになる といった感じです。 ナチュラル精製のコーヒーは上述した風味をベースに、精製由来の赤く熟した果実を思わせる華やかで甘いフレーバーが加わります。
アフリカ大陸東側に位置するエチオピア。周辺には北側に紅海を隔ててイエメン、南側にケニア、タンザニアといった有名なコーヒー生産国が並んでいます。コーヒー生産量は世界で第5位、アフリカでは第1位を誇り、その華やかな風味で世界中にファンを抱える人気生産国です。 1974年に「スペシャルティコーヒー」という言葉を初めて使ったアーナ・ヌーツェンさんがスペシャルティコーヒーの代表例として取り上げた産地の1つであり、堀口珈琲もまた1990年の創業当初から特別な個性を放つ産地としてエチオピアに注目し扱い続けてきました。
エチオピアの中心部には「グレートリフトバレー(大地溝帯)」と呼ばれる巨大な谷が南北に縦断しています。その両サイドには標高の高い台地が広がり、高標高が生み出す寒暖差や、適度な雨量、肥沃な土壌などコーヒー栽培に適した条件が揃う地域が多く存在しています。 これまで堀口珈琲では地図に示した5つの地域「ジンマ」「ハラー」「シダマ」「イルガチェフェ」「グジ」のエチオピアコーヒーを取り扱ってきました。長年に渡る堀口珈琲のエチオピア史のでも、その発展の中心地は「イルガチェフェ」と「グジ」です。
世界的に有名な名産地「イルガチェフェ」。堀口珈琲は創業当初からイルガチェフェ地域のコーヒーに注目し、創業者の堀口俊英が生豆の買付に関わっていた頃、自らを「イルガチェフェマニア」と標榜するほど良質なイルガチェフェの入手に心血を注いでいました。 イルガチェフェ地域にはウェナゴ、イルガチェフェ、コチェレ、ゲデブの4つの地区があります。これらの地域は総じて標高が高く、生産されるコーヒーはどれも華やかさを有しベースとして高い品質を誇りますが、より高地で生産されたものは明瞭な風味・複雑な風味をもたらす傾向にあります。堀口珈琲における代表的な商品は「ウォテ」「ゴティティ」「ウォルカ」等があります。
イルガチェフェに隣接していて、風味特性から考えても“奥イルガチェフェ”と呼びたくなる「グジ」。実際この地域のコーヒーが“グジ”として一般流通するようになったのは2010年代に入ってからで、それ以前はイルガチェフェ産として流通していたと考えられます。グジの中でもハンベラやウラガといった地区は特に標高が高く、イルガチェフェの品質を高める要因になっていた可能性が高いです。 堀口珈琲における代表的な商品はハンベラ地区の「ゴロ・ベデッサ」。イルガチェフェらしい風味をベースに、ハンベラ地区の特徴とも言える赤系・黒系果実のニュアンスが加わり、質感や甘みもより濃厚に感じられるコーヒーです。
私たちが取り扱うアラビカ種のコーヒー発祥の地はエチオピアです。エチオピアに自生する多様な品種群の中から、6〜9世紀に一部の品種がイエメンに渡り、17世紀にイエメンから「ティピカ」と「ブルボン」という2つの品種が世界各地に広がっていきました。 アラビカコーヒーの原産地であるエチオピアには、たくさんのコーヒーの樹が自生しています。長い歴史の中で突然変異や自然交配などが蓄積し遺伝的に多様なアラビカ種(≒品種)が存在しています。品種の境界が曖昧でその特定・管理も難しいため、エチオピアの品種は「在来品種」と表記されることが一般的です。エチオピアの特殊な風味は、生育に適した環境と遺伝的に多様な「在来品種」群が関係していることは容易に想像がつきます。巷を賑わすゲイシャ品種もエチオピアに自生していた在来品種の一つです。
エチオピアは雨季と乾季がはっきりと分かれている気候のため、コーヒーチェリーを収穫した後に精製(※)を施す時期は乾燥した気候でナチュラル精製に適した環境です。伝統的にナチュラルが採用されてきた産地で全体の70-80%がナチュラルですが、リム・シダモ・イルガチェフェといった一部地域では品質の安定や向上を目的にウォッシュト精製も発達しています。 ※コーヒーチェリーから色々なものを外して種子=生豆を取り出す加工工程。 スペシャルティコーヒー時代に突入すると風味の多様化を目的にした高品質ナチュラルの生産も盛んに行われるようになりました。ウォッシュト・ナチュラル双方で高品質なコーヒーを潤沢に供給してくれる稀有な産地です。
エチオピアのスペシャルティコーヒーにおいて、今では世界中で当たり前に親しまれているトレーサビリティが明確な「ステーション指定ロット」や「高品質イルガチェフェ・ナチュラル」を堀口珈琲は2000年代後半にいち早く適切に評価し、先駆者として大々的に紹介してきました。 2010年代後半にはゲデブ”というイルガチェフェ最奥部の地域に日本のロースターとして初めて足を踏み入れ、よりトレーサビリティを細分化した“集落指定ロット”「ウォルカ」を商品化。2023年にはグジエリアの超高標高ロット「ゴロ・ベデッサ」をリリースしました。 堀口珈琲は今後も品質を軸に長期的な目線に立ち、きちんとした背景のもとでつくられる最高品質のエチオピアを追求し続けていきます。
生産者のメクリアさんは小さなチェリー流通業者から始まり、品質を求めてステーションを設立、自身でも農園を持ち、さらには輸出業者をも立ち上げた情熱家。堀口珈琲とは10年以上に渡って高品質なエチオピアコーヒーを共に追求してきました。 2014年、当社の生豆バイヤーが現地を訪れて彼に「この地域で理想のコーヒーをつくるとしたら?」と問いかけました。これをきっかけに最高の立地を探し続け、名産地イルガチェフェに隣接するグジ・ハンベラ地区の標高2,400mという超標高の立地にステーションを新設し、問いに対する答えとして約7年越しに私たちの元へ届けてくれた“理想のコーヒー”が「ゴロ・ベデッサ」です。
エチオピアの中でも名産地の中の名産地「イルガチェフェ」と「グジ」にフォーカスします。 現時点におけるエチオピアの“到達点”ともいうべき「ゴロ・ベデッサ」と共に、堀口珈琲のエチオピア開拓史や背景を紹介します。
掲載期間 2024/10/18〜2024/10/30
詳細はこちら