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インドネシア 一覧

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“マンデリン”の産地、インドネシア・スマトラ島。
ハーブやスパイス、柑橘やトロピカルフルーツなどを思わせる
特有の風味で世界中から愛好されるコーヒー産地です。

マンデリンの風味傾向

インドネシア・スマトラ島にて生産されるコーヒー“マンデリン”は、エチオピア産やケニア産のように一度飲めば誰もが理解できる特有の個性を備えています。

中でもスペシャルティと呼べるクオリティのマンデリンは、
・明瞭な黄色い柑橘の酸
・トロピカルフルーツのような熟した果実味
・ミルキーで甘い香り
・心地よいハーバルな香り
・きめ細やかながら口に含んだときにしっかり舌にのるような量感
といった素晴らしい風味を体験することができます。

堀口珈琲ではマンデリンをシティローストとフレンチローストの2つの焙煎度で常にラインナップしています。 シティローストでは酸味・コク・甘みの調和の中に、シルクのような質感や果実の清涼感、ハーバルな香りといったマンデリンらしさを味わえます。 フレンチローストになるとベルベットのような質感と濃厚な甘みが際立ち、果実味や香りはより複雑さを増して感じられます。

産地紹介

アジアの人気産地インドネシア

インドネシアの地図

世界第三位のコーヒー生産量を誇るインドネシア。その約90%をカネフォラ種(※)が占めています。伝統的にはアラビカ種ティピカ系品種が栽培されてきた産地ですが、19世紀末に蔓延したさび病により壊滅的な被害を受けてほぼ消失し、カネフォラ種への植え替えが進められました。
※病害虫に強く生産性が非常に高いことから安価である一方で苦味・渋みが強いため、主に缶コーヒーやインスタントコーヒーに使用される種

ただ、その中でも一部のアラビカ種はスマトラ島北部トバ湖周辺の標高が高い地域でさび病をまぬがれ生き残っており、“マンデリン”という名で世界中のコーヒーファンから愛好されています。

高品質なマンデリンを産出する
トバ湖南側エリア

スマトラ島北部の地図

インドネシアには他にもスマトラ島タケンゴン地区で生産される「ガヨマウンテン」やスラウェシ島の「トラジャ」「カロシ」といった銘柄がありますが、堀口珈琲では「マンデリン」特有の風味を高く評価し、創業当初からこだわりをもって取り扱い続けてきました。

マンデリンの産地はスマトラ島北部の北スマトラ州とアチェ州です。地図の中央にある世界最大のカルデラ湖“トバ湖”周辺に北スマトラ州のマンデリン産地は広がっており、特に南側は“リントン・ニフタ”や“ドロサングル”といった高品質マンデリンを産出する有名産地のある地域です。堀口珈琲が通年で扱う「オナンガンジャン」の産地もトバ湖の南西に位置しています。

コーヒー産地の中でも
特に雨量が多く湿潤な環境

マンデリンの産地にはスマトラ島西側のインド洋から温かく湿った大気が流れ込み、一年を通して湿潤な環境をもたらします。乾季と呼ばれる時期でもある程度の降雨はあり、乾燥した環境にはなりません。この湿潤な環境下においては収穫後の精製工程(※)で行う「乾燥」は難しくなり、品質を損なう原因になります。
※コーヒーチェリーから色々なものを外して種子=生豆を取り出す加工工程

乾燥工程はどの産地でも非常に重要なパートですが、スマトラ島では特に適切な乾燥が高品質なコーヒー作りのテーマとなります。こうした環境が独特の精製方法を“スマトラ式”生み出し、それがマンデリン特有の個性をもたらす大きな要因になっています。

独自の精製方法“スマトラ式”

スペシャルティコーヒーの基本の精製方法である「ウォッシュト」は、収穫したコーヒーチェリーから果肉と粘質物を除去した後にしっかりと乾燥させ、脱殻して種子(=生豆)を取り出す方法です。

これに対して「スマトラ式」の精製は、コーヒーチェリーから果肉と粘質物を除去した後に生乾きの状態で脱殻して種子(=生豆)を取り出してしまい、その後本格的な乾燥をさせます。雨量が多く湿度の高いスマトラ島において、乾燥期間を短くするために考案された独自の精製方法です。

標高や降雨・湿度・土壌といった「環境要因」に加え、スマトラ式という環境に応じて発達した特有の「精製方法」も加わることで “マンデリンらしさ”は形成されているのです。

産地の風土がもたらす特有の個性

スマトラ島ならではの生産環境と、そこで発展した独自の精製方法によってもたらされる風味を楽しむコーヒー、マンデリン。“産地の風土がもたらす特有の個性“という実にスペシャルティコーヒーらしい楽しみをもたらしてくれるコーヒーです。 そんなマンデリン特有の風味は今、絶滅の危機に瀕しています。主な要因は伝統品種の喪失です。

世界的コーヒーチェーンによる大量消費によって慢性的な品薄が引き起こされる中、生産性や耐病性に優れていてアラビカ種としての最低限の品質は得られるハイブリット品種(※)への置き換えがハイペースで進行しています。
※カネフォラ種と交配し耐病性や生産性を獲得した品種

消えゆくスペシャルティのマンデリン

近年のマンデリンの多くは穀物臭や余韻まで残る渋苦さ、酢を連想させる酸味、ざらつきといったネガティブな要素が風味の中心を占め、特有の個性たちをほとんど楽しむことができません。これらのネガティブ要素はハイブリッド品種によってもたらされます。マンデリンの産地のようにそこまで標高が高くなく湿潤な環境では、ハイブリッド品種のネガティブな風味が全面に表れてしまいます。

高品質マンデリン特有の個性たちは、徹底した“クリーン”があるからこそ感じられる繊細な個性で、その土台が崩れてしまうと失われてしまうものです。“マンデリンらしさ”を支えてきた伝統品種という土台の消失により、本来のマンデリンらしい風味は絶滅しつつあるのです。

伝統品種がもたらすクリーンな風味

私たちは素晴らしいマンデリンの風味を未来に残すためにも、伝統品種を大切にしたいと考えています。堀口珈琲が通年で販売している「マンデリン“オナンガンジャン”」は伝統品種の単一ロットです。商品化の構想から約10年の時を経て、高品質なマンデリンの単一ロットを実現するための挑戦は実を結びました。

こうした状況の中で伝統品種を作り続けてもらうことは多大な困難を伴います。この先も継続してお届けできることを願いながら取り組みますが、いつまで続けてもらえるかはわかりません。“消えゆく”かもしれないコーヒーを大切に楽しんでいただければとてもうれしいです。

堀口珈琲のインドネシア代表的な商品の紹介

マンデリン“オナンガンジャン”

現地でもわずか1%にも満たないというティピカ系伝統品種だけを集めた単一品種ロット。 商品化にあたっては各農家を周って該当品種の木々一本一本に赤いリボンで印をつけ、個別に収穫・精製してもらう様お願いして回りました。 無謀とも言える理想を掲げた現地のコーヒー仲買人カルドン氏の情熱と農家の方々の協力のもと、構想から約10年の時を経て商品化に至ったミラクルなコーヒーです。

中でも特別ロット「カルドン・エステート」は仲買人のカルドン氏が農地の管理から、収穫、精製、乾燥に至るまで、コーヒーの品質に影響を及ぼす工程を自ら行うことで、より品質を磨き上げた"特別"なマンデリンです。

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Mandheling -今こそ楽しむ、”スペシャルティ”のマンデリン-

マンデリンの風味や抽出のコツを解説すると共に、マンデリンの独特な風味が生まれる背景や現在置かれている危機的状況を説明します。

掲載期間 2024/09/11〜2024/09/24

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