【ステップ2】
おいしさをテイスティングする
1.ハイローストを味わう
“クリーン”の確認ができたら今度は“おいしさ”を構成する要素を1つ1つ確認しながらテイスティングしていきましょう。
3つの中でもっとも焙煎度の浅いハイローストからスタートし、焙煎の進行と共にどのように風味が変化していくかに注目しながら丁寧に味わっていきます。
エチオピア「ウォテ ナチュラル」ハイローストを用意し、
レシピを再確認していれ終わったら、さっそくテイスティングしていきましょう。
・香り
鼻を近づけると華やかな果実の香りが漂ってきます。果実は柑橘+赤系果実です。飲み下して鼻に抜ける香り(戻り香)では赤系果実の香りがよりしっかりと感じられます。この甘く華やかな香りがナチュラル精製ならではの香りです。
・酸味
しっかりとした量があるものの刺激的な質ではなく、他の要素とのバランスの中でおいしさを感じられる酸味です。
・苦み
浅煎りの領域であるハイローストでは、苦みはまだほとんど感じられません。
・質感(テクスチャー)
ハイローストながら舌の上にのっかると程よい量感が感じられます。なめらかさも感じられる、とても心地よい舌触りです。このなめらかな質感はウォッシュトよりもナチュラルの方がしっかり現れる傾向にあります。
・ニュアンス(香り+味+質感)
華やかな香り、明るい酸の質、なめらかな質感と甘みの印象から、熟した黄色い柑橘やクランベリーを思わせる赤系果実のニュアンスを感じとれます。
・総評
ほどよく厚みのある口当たりと、熟した柑橘果実やクランベリーを思わせる赤系果実の風味を感じさせます。浅い焙煎ながらもコクのある甘みをもち合わせ、ブラウンシュガーのような余韻が優しく広がります。
2. シティローストを味わう
次はシティロースト(中深煎り)です。エチオピア「ウォテ ナチュラル」シティローストを用意し、
レシピを確認していれ終わったらテイスティングしていきましょう。
【抽出のコツ】
注ぎ始めは少量の湯を静かに注いで粉にお湯を浸透させます。30秒前後でサーバーに抽出液がポタポタ落ち始め、注ぐ量を少しずつ増やして60秒前後で抽出液のポタポタが線状になるように。その後は表に記載の抽出時間くらいで目標の抽出量に達するよう注ぐペースを早くしていきます。ハイローストよりはじっくり、後述するフレンチローストよりはかろやかに、ちょうどいい塩梅に仕上げます。
・香り
鼻を近づけると果実の香りが漂ってきます。ハイローストと比べると甘みの印象が増した「甘く華やか」な香りです。ほんのり“コーヒーらしい香り”も漂い始めます。
・酸味
しっかりと存在しています。ハイローストと比べる酸の量は少し穏やかになり、明るいトーンの中に柔らかさ・丸みも感じられます。
・苦み
心地よい苦みが程よく感じられます。
・質感(テクスチャー)
やや丸みを帯びた口あたりからはじまります。ハイローストと比べると量感が増し、スムースで心地のよい舌触りです。
・ニュアンス(香り+味+質感)
ハイローストで感じられた熟した黄色い柑橘、赤系果実のニュアンスはシティローストでも顕在です。焙煎度が一段階深まることで甘みや質感の印象が増すため、より熟した複雑な果実感が現れてきます。
・総評
赤系果実に加えて、ブルーベリーやプルーンを思わせる黒系果実の風味も現れます。焙煎が進むことで、滑らかさや甘さが一層際立ち、ほのかに果実を煮詰めたジャムのようなニュアンスも感じられます。
3. フレンチローストを味わう
最後はフレンチロースト(深煎り)です。エチオピア「ウォテ ナチュラル」フレンチローストを用意してください。
【抽出のコツ】
注ぎ始めは少量の湯を静かに注いで粉にお湯を浸透させます。40秒前後でサーバーに抽出液がポタポタ落ち始め、注ぐ量を少しずつ増やして70秒前後で抽出液のポタポタが線状になるように。前半はシティローストよりもやや「じっくり」を意識します。その後は表に記載の抽出時間くらいで目標の抽出量に達するよう注ぐペースを徐々に早くしていきます。3つの焙煎度の中で最も抽出量が少ない(=濃度が最も濃い)レシピですので、抽出後半もシティローストよりもゆっくり焦らずお湯を注ぎ、のうこうな液体に仕上げます。
・香り
鼻を近づけると甘い香りが漂います。フレンチローストになると甘さの印象や“コーヒーらしい香り”がより一層増し、果実の香りと渾然一体となってより複雑な香りとして感じられます。クローブのようなスパイスの香りもかすかに感じられます。
・酸味
ハイ、シティと比べると酸の量は少なくなり、質も柔らかくなります。一口目の印象では、酸味よりも苦味や甘みを前面に感じるでしょう。しかし、酸に意識を向けて舌の上を転がしてみください。深煎りでもなおしっかりとした酸味がいるのがわかるでしょうか。
・苦み
しっかりあります。量は多くとも刺激的で焦げっぽい苦味ではなく、柔らかな質の心地よい苦味です。
・質感(テクスチャー)
クリーミーな質感です。焙煎の深まりと共に液体の濃度・粘度は高まりますが、“しっかりとした”と表する程の力強さは呈さず、なめらかさの中にやわらかさも感じられる、しなやかなテクスチャーです。
・ニュアンス(香り+味+質感)
果実のニュアンスは黒系果実です。深煎りらしい甘さと苦みによってカカオのニュアンスも現れ、クリーミーな質感が調和することでチョコラティな印象として感じられます。
・総評
黒い果実主体の果実感やクローブを連想させる甘いスパイスのニュアンス。クリーミーな質感と甘苦さはビターチョコレートを連想させます。様々な複雑な要素が感じられ、まるで南仏の赤ワインのようです。