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2024年の堀口珈琲を象徴するシングルオリジン3選
2024年も残すところあと僅かとなりました。
振り返ってみると今年は計15か国117種類のシングルオリジンを販売してきました。
公開した特集記事は12本。
毎回素晴らしい出来のシングルオリジンをピックアップし、味わいの紹介からおいしさの背景に至るまでを詳しく解説、セット商品も積極的に用意して「スペシャルティコーヒーならではの楽しさ」をお伝えすることに注力してきました。
回を重ねるごとに私たちの熱量も増し、直近では文字数1万字越えの大ボリュームが当たり前のようになっていますが、少しでも皆様のスペシャルティコーヒー体験が豊かなものになっていれば嬉しいです。
(特集バックナンバーはこちら。)
とは言え、これだけの数のシングルオリジンをご紹介していると全てをチェックすることはなかなか難しいと思います。そこで、今回の特集は「2024年の堀口珈琲を象徴するシングルオリジン」と題して今年特に素晴らしい出来のコーヒーを3つに厳選してピックアップし、改めてご紹介します。
3種類を100gずつのセットにした商品もご用意していますので、見逃していた・飲み逃していたという皆様はこの機会に必ずやお買い求めください。
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コーヒー紹介
3つのコーヒーを紹介するのは日々堀口珈琲のオンラインストアを運営する鴻江、島崎、小野寺の3名です。個人的な思い入れも交えながら書いておりますので、コーヒー選びの参考にしていただければと思います。
左から鴻江、島崎、小野寺。
いつもありがとうございます。
今年のコスタリカの素晴らしさを象徴する一杯
EC事業部 鴻江研人
紹介するコーヒー | コスタリカ「【モンテス・デ・オロ】ジャサル カトゥアイ」シティロースト
紹介するコーヒー |
コスタリカ「【モンテス・デ・オロ】ジャサル カトゥアイ」シティロースト
冒頭でも触れたように、今年お届けしてきた数々の企画を振り返ってみると「スペシャルティコーヒーとはどう楽しむべきなのか」を改めて見直し、そして紐解く企画が主なテーマとなりました。
基本に立ち返り、一つひとつを紐解いていく中で、国や地域ごとに特有のキャラクターが鮮やかに浮かび上がる様子が見えてきました。
そして堀口珈琲の中で、一か国の中だけでこれほどまでに多種多様な生産者が集い、その数だけ個性豊かなコーヒーが生まれる唯一無二の国があることに気づきます。それが「コスタリカ」です。


長年に渡ってご紹介を続けてきたコーヒーが多い同国ですが、例年以上に今年は多くの素晴らしいコーヒーが届いていました。これらのラインナップを一つでも多く楽しんでいただきたい想いもあり、夏に公開した特集「COSTARICA-スペシャルティの優等生コスタリカ、その“神髄”を味わう-」を始め、メールマガジン上でも「今月のコスタリカ」と銘打ち様々な角度でご紹介してきました。
これら一帯の企画の集大成として選ぶ「今年のコスタリカ」として、そして「今年の堀口珈琲を象徴するシングルオリジン」として、私は「【モンテス・デ・オロ】ジャサル」のコーヒーを挙げます。


生産者のエミリオ・ガンボア氏
「今期はいつも以上にすごいんだぞ」と主張するかのような、渋みやざらつきを全く感じさせない圧倒的なクリーンカップ。
おいしいコスタリカの基本要素とも言える柑橘果実の酸味を明瞭に感じさせつつも、それをしっかりと下支えするほど良いボディも備わっています。ほのかにクローブを思わせる甘いスパイスの風味も感じられ、バランスが良いよねと一蹴されてしまうだけのコーヒーとは一線を画す複雑さに思わず魅了されてしまいます。
私自身、入社して間もないころは「コスタリカ」と聞けば、どれを飲んでもそれなりにおいしいコーヒーがある産地、としか思っていませんでした。ですが今期のジャサルと出会い、改めてスペシャルティコーヒーの本質的な面白さに気づかされたことで、今では大好きな国のひとつとなりました。
こういった面白さに向き合うことが出来たのも、長年に渡る生産者の努力と情熱の表れだとしみじみと感じさせてくれますね。ラインナップの多さや名前の長さから覚えるのが大変と思われる方も多い国のひとつですが、どれか一つでもお気に入りを見つけてくれた方がいたらそれだけで嬉しく思います。
コスタリカ「【モンテス・デ・オロ】ジャサル カトゥアイ」シティロースト
販売価格:1,800円(税込1,944円)
理想のエチオピアコーヒー
EC事業部 小野寺希望
紹介するコーヒー | エチオピア 「ゴロ・ベデッサ」 シティロースト
紹介するコーヒー |
エチオピア 「ゴロ・ベデッサ」 シティロースト
「この地域で理想のコーヒーをつくるとしたら?」
当社の生豆バイヤーがエチオピアのイルガチェフェ・グジエリアを訪れ、現地の生産者へそう問いかけたのは2014年。それから約7年の歳月を経て商品化が実現した“理想”のコーヒー、「ゴロ・ベデッサ」。
昨年にナチュラル、今年に入ってウォッシュトが初登場となりましたが、長年に渡る堀口珈琲のエチオピア史の中でも「これがエチオピアの最高峰です」と言ってしまっていいのでは?とさえ思えるほど素晴らしいコーヒーです。
その素晴らしさをお伝えすべく、10月には特集「GORO BEDESSA ‐スペシャルティのエチオピア、その到達点を味わう‐」を公開。東京ビッグサイトで開催されたアジア最大級のスペシャルティコーヒーイベント「SCAJ2024」においても、“産地の個性”をわかりやすく体験できるコーヒーとして堀口珈琲ブースで提供しました。
何を隠そう、私もブースに立ってプレゼンをしていたのですが、試飲体験される皆さまが「ゴロ・ベデッサ」を口に含むと表情がパッと変わり、あちこちから「うっま!」という声が漏れ聞こえてくるので冥利に尽きました。
エチオピアの名産地イルガチェフェに隣接するグジ・ハンベラ地区の標高2,400mという超標高の立地にステーションを新設し、この理想のコーヒーを作り上げたメクリアさんとは10年以上に及ぶ長い付き合いになります。メクリアさんとの商品づくりや、「ゴロ・ベデッサ」に辿り着くまでの堀口珈琲のエチオピア史については特集ページに語り尽くしました。ぜひ「ゴロ・ベデッサ」を飲みながらご覧いただきたいです。


生産者のメクリア・メルガ氏
味わいを一言で言えば「圧倒的にフルーティー」。
イルガチェフェ・グジエリアらしい明るい柑橘やピーチ、マスカットに、ハンベラ地区の特徴とも言える赤系果実のニュアンスなど果実感が充実しています。そこにフローラルや甘いスパイス感も加わります。とても複雑な味わいのコーヒーです。
一口目はアタックの「華やかさ」に心を奪われてしまうと思いますが、二口目三口目ではアフターの「甘さ」にも注目してみてください。心地のよい滑らかな質感とともにフルーツのような甘みや、花やスパイスを思わせる甘い香りが広がって長く持続します。
初めてテイスティングをした時から衝撃を受け、特集記事公開やSCAJ2024での試飲提供とその後の大きな反響など、今年を象徴するシングルオリジンとして真っ先に浮かんだのはこのコーヒーでした。
エチオピア 「ゴロ・ベデッサ」 シティロースト
販売価格:1,900円(税込2,052円)
基本を突き詰めた傑作的な一杯
EC事業部 島崎宏音
紹介するコーヒー | タンザニア 「ハイツ農園」 フレンチロースト
紹介するコーヒー |
タンザニア 「ハイツ農園」 フレンチロースト
「2024年を象徴するシングルオリジン」となれば、私からはこのコーヒーを推さざるを得ません。
タンザニア・ンゴロンゴロのハイツ農園のコーヒーです。
これは私たちが考えるスペシャルティコーヒーの未来にとって希望となるようなコーヒーだと思っています。
この一年、産地や品種、精製などコーヒーのあらゆるテーマについて、特集記事でこれでもかと語ってきました。その原動力となったのは、紛れもなくスペシャルティコーヒーに対する危機感です。
気候変動や病害虫への対応、生産性という経済的問題などの理由から、“産地の個性を楽しむ”というスペシャルティコーヒーの基本的かつ本質的な楽しみ方が失われつつあります。
そんな中で、今熱い視線を送っているのがこのハイツ農園があるンゴロンゴロ地域です。
環境・品種・精製、そして持続的な生産体制。ここにはスペシャルティコーヒーの基本を楽しむための要素が詰まっています。
今年の夏、実際に現地を訪問して、ここがいかに貴重な産地かを実感してきました。
詳しくは『Ngorongoro-ンゴロンゴロ・コーヒー保護区-』の特集ページで存分に語っていますのでご覧いただければ幸いです。
ハイツ農園は、このンゴロンゴロ地域の名刺代わりの一杯として皆様にご紹介したいコーヒーです。そして、私たちがいつまでも守っていきたい風味を体現しているコーヒーです。
生産者のヴィマックス・アミン氏
基本を押さえた風味というのは、一見すると特徴がわかりにくいかもしれません。
しかし、数学の公式のように、ベーシックなものはいつだってシンプルで美しいもの。
良質な苦味が生み出す心地よいコーヒー感。
ほのかに感じるきれいな柑橘の酸に柔らかい繊細な甘み。
一杯を通じて雑味が一切なく非常にクリーンな仕上がりです。
初夏に販売した創業者・堀口俊英による「PAPA’S BLEND」と秋にお届けした堀口珈琲主任ブレンダーが手掛ける「ROASTERS' BLEND」。
『FANTASIA』シリーズの2つの特別ブレンドに素材として抜擢されていることも、このコーヒーの評価の高さと出来の良さを証明しています。
派手な印象はありませんが、いつ飲んでもおいしく、どんなシーンにも寄り添ってくれる味わいだと感じます。
基本を突き詰めた傑作的な一杯を、ぜひ2024年の締めくくりに。
タンザニア 「ハイツ農園」 フレンチロースト
ご好評につき完売しました。
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さいごに
「2024年を象徴する素晴らしいコーヒー」として3つに厳選してご紹介しましたが、候補を挙げてみるとあれもこれも出てきて迷ってしまい、最終的にはそれぞれの個人的な思い入れも加味してチョイスしました。
ここでは紹介できませんでしたが、グァテマラ・アンティグアの「サンタカタリーナ農園」「ラ・トラベシア農園」、ペルーの「フェスパ農園」といった付き合いの長い生産者から届いたコーヒーが“今年も”素晴らしい品質で絶大なる安心感と心強さを覚えました。
在庫がなくなり既に販売は終了していますが今期のコロンビア「サン・フランシスコ農園」、コスタリカ「【グラニートス】オルティス2000」をテイスティングした時の驚きは鮮明に覚えています。
皆さまにとって「2024年を象徴する」ようなコーヒーはありましたか?ご注文の際に備考欄に「あのコーヒーが衝撃的だった!」など書いていただけると、オンラインストア担当が喜びます。
2025年もスペシャルティコーヒーならではの楽しさ・おいしさを追求し、たくさんのコーヒーをご紹介してまいります。
いつもご利用いただきありがとうございます。おいしいコーヒーと共に、素敵な年末をお過ごしください。