TOP > Natural 4カ国7種類多彩なナチュラルの饗宴
今回の主役は「ナチュラル精製」のコーヒー。
当店のラインナップでは常に数種類のナチュラルをご用意しておりますが、
今回はなんと4カ国7種類(!)のナチュラルを揃えてみました。
ここまで豊富な種類が揃うことは、当店に限らずどのコーヒー屋さんでもめったにないでしょう。
ナチュラルファンの皆様は必見です。
「ナチュラルってなに?」そんな皆様にもわかりやすく解説していきます。
未体験の方には「こんな風味のコーヒーは初めて!」という出会いを。
ナチュラルファンの方には「こんな風味のナチュラルもあるのか!」という驚きを。
さらには、ナチュラルの風味が苦手という方にも「このナチュラル、おいしい」という発見を。
コーヒーを楽しむ幅がグンと広がる、ナチュラルの魅力をお届けします。
- 1
-
4カ国7種類!商品ラインナップ
まずは豊富なラインナップからご紹介します。
初登場はコスタリカの人気マイクロミル【サンタテレサ】のナチュラルと、ブラジルから驚くほどクリーンな「セルカ・デ・ぺドラ・サン・ベネディート ナチュラル」。そしてエチオピアの【ウォルカ】からは3つの集落のナチュラルを同時にリリース!お好みの焙煎度や、味わいのコメントなどからじっくり選んでみてください!
- コスタリカ 「【サンタテレサ】サンタテレサ2000 カトゥアイ ナチュラル」
シティロースト - オレンジやベリー系の果物の様な複雑なフレーバー。熟した果物の様な甘みがしっかりと感じられます。
- エチオピア 「【ウォルカ】クレイウォット ナチュラル」
シティロースト - いちごジャムの様なアロマとフレーバー。冷めてくるとどこかバニラの様な芳香が漂い、味わいに品の良さと複雑さを感じさせてくれます。
- エチオピア 「【ウォルカ】ハロ・ハディ ナチュラル」
シティロースト - 口に含んだ瞬間から感じられるプラムの様なジューシーで明るい酸。余韻にはラズベリーや洋酒を思わせる複雑且つ華やかなフレーバーが広がります。
- イエメン 「バニ・ナヒミ ナチュラル」
シティロースト - クリーミーで心地よい触感。ブランデーを彷彿させる芳醇なフレーバー。ドライフルーツの様な甘みも備えた複雑さが特徴です。
- ブラジル 「セルカ・デ・ぺドラ・サン・ベネディート ナチュラル」
フルシティロースト - カカオニブの様なほのかな酸とほろ苦さ。ローストアーモンドの様な甘みとフレーバーが特徴です。スムースで滑らかな触感が心地よく、冷めてくると華やかなニュアンスも感じられます。
- エチオピア 「【ウォルカ】アダメ・マゾリョ ナチュラル」
フレンチロースト - きめ細やかでシルキーな触感。熟成された赤ワインの様な華やかフレーバー。どこかレーズンの様な品の良い甘みも特徴です。
- 2
-
コーヒーのナチュラルってなに?
ナチュラルというと「自然に優しい」「有機栽培」「人工物を使わずに作った」といったイメージがあるかと思いますが、コーヒーにおけるナチュラルとはあくまでも「ナチュラル精製で得られた」という意味しかもちません。では、そのナチュラル精製とは何なのか。詳しく見ていきましょう。
そもそもコーヒーの“精製”とは?
上の写真は収穫したばかりのコーヒーの果実です。サクランボのような見た目からコーヒーチェリーとも呼ばれています。このコーヒーチェリーから種子を取り出して生豆を得るためには、果皮や果肉などの被覆物を除去し、水分を除去する(=乾燥させる)工程が必要となります。この工程がコーヒーの「精製」です。
「ウォッシュト」と「ナチュラル」
コーヒーの精製は、細かく分ければ様々な方法がありますが、大別すると「ウォッシュト(湿式)」と「ナチュラル(乾式)」の2つに分けられます。キーワードはコーヒーをどの状態で乾燥をさせるかです。
【ウォッシュト(湿式)精製】
コーヒーチェリーの果皮や果肉・粘質物(ミューシレージ)を除去した状態で乾燥させる方法をウォッシュトといいます。機械を使って果皮や果肉を除去したのち、水を使って粘質物(ミューシレージ)を洗い流します。その後パーチメントコーヒーの状態で乾燥させます。
【ナチュラル(乾式)精製】
コーヒーチェリーを果実のまま乾燥させる方法をナチュラルといいます。上の写真の様に天日による乾燥が多用されますが、機械による乾燥も行われます。天日乾燥のあとに機械乾燥を行う形で両方を組み合わせた乾燥も行われます。乾燥された果実の被覆物を除去して、コーヒー生豆を取り出します。
シンプルな工程ゆえに大切なこと
高品質なコーヒー生豆を得るためには、風味に悪影響を及ぼす未熟豆の混入を防ぎ、高い熟度で揃える必要があります。
いずれの精製方法においても完熟したコーヒーチェリーのみを収穫することが大切ですが、ウォッシュトの場合は、収穫したコーヒーを乾燥させるまでの間に、果肉の剥けやすさや水に対する比重の違いを利用し異物や未熟豆を効果的に取り除くための仕組みを幾重にも組み込むことが可能です。
一方ナチュラルの場合は、基本的に収穫したらそのまま乾燥を始めるため、コーヒーの熟度を揃えるのが難しい傾向にあります。よって、乾燥前に外見から分かる未熟豆や異物は除去し、乾燥中も選別をすることで精度を上げていくことがより大切になってきます。
精製方法はどうやって選択されている?
例えば、雨季と乾季が比較的明確に分かれていて、コーヒーを乾燥させるための広い土地がある生産国(例:エチオピア、イエメン、ブラジル)では伝統的にナチュラルが採用されてきました。近年では、味わいの多様性を追い求めるスペシャルティコーヒー市場の拡大と共に伝統的にウォッシュト精製を採用していた生産国(例:コスタリカ)で、ナチュラル精製に挑戦する生産者も増えています。
>>精製について詳しく知る:「好みのコーヒーに出会うために知っておきたい4つの精製方法と味わい」
- 3
-
ナチュラルってどんな風味?
ナチュラルのコーヒーは、ウォッシュトよりも生豆の被覆物が果肉に接した状態が長く続くことが影響して、独特の香りと味わいのあるコーヒーに仕上がると言われています。その風味の表現は、ベリー系果実の熟したニュアンスや、スパイス感、時にはワインやウイスキーを思わせる芳醇さなど様々です。
真髄は「精製由来の風味」×「豆の個性」
では、ナチュラル精製のコーヒーがすべてそのような傾向を持つかというと、そういうわけでもありません。ここがコーヒーの奥深く魅力的なところ。
今回紹介する7種類のコーヒーは、上述したナチュラルの特徴をわかりやすく感じていただけるものもあれば、「こんなナチュラルもあるのか!」と驚いてしまうほど上品に感じられるナチュラルもあります。それは、品種の違いやコーヒーが育つ環境の違いはもちろん、乾燥工程における日数や条件のわずかな違いなどが、繊細な味わいの違いとなって表れるためです。
ナチュラルコーヒーの神髄は「精製由来の風味」と、本来備わっている「豆の個性」が見事に調和することで生まれる複雑なキャラクターを楽しむことです。そんなコーヒーに出会えたならきっと素敵な体験が待っていることでしょう。
今回ご紹介するコーヒーはどれも、きっと皆さまにそんな体験をしていただける一杯になると思っております。
- 4
-
楽しみ方の提案
とは言え、4カ国7種類もあったらどれを選んでいいか分からない!
そんな方に、こんな機会だからこそ体験できるナチュラルの楽しみ方をいくつか提案したいと思います。
【ナチュラルファンの方におすすめ】
ナチュラルの多様さを実感する
既にナチュラルの虜の皆様へ、この機会によりナチュラルの奥深い魅力を感じていただける組み合わせをご提案します。イエメン「バニ・ナヒミ ナチュラル」シティローストとコスタリカ 「【サンタテレサ】サンタテレサ2000 カトゥアイ ナチュラル」シティローストの飲み比べです。
イエメンは伝統的な製法、品種が保持されている特殊な産地で、他では味わえない唯一無二の香味を放ちます。対して、コスタリカは伝統的にはウォッシュトの産地で、香味の多様さを追求すべくナチュラル精製にも挑戦している熱意溢れる生産者のコーヒーです。コスタリカの高標高ならではの引き締まった酸や厚みのあるボディに、ナチュラル精製由来と思わせるベリー系果実の華やかな風味が心地よく感じられます。
伝統の産地と、新進の産地。それぞれのコーヒーを通じて、ナチュラルの奥深さをご体感ください。
【ナチュラルが苦手な方にもおすすめ】
ナチュラルらしくない? 上品なナチュラルを体験
ナチュラルの独特な風味が得意ではないという方へ、この機会にぜひ試していただきたいコーヒーがあります。エチオピア「【ウォルカ】クレイウォット ナチュラル」シティローストと、ブラジル「セルカ・デ・ぺドラ・サン・ベネディート ナチュラル」フルシティローストです。
前者はエチオピアの瑞々しく華やかな果実感を、後者はブラジルのローストナッツを思わせる甘さを、驚くほどのクリーンさで感じていただけるコーヒーです。双方とも前章でご説明した「精製由来の風味」は派手ではなく、上品に、穏やかに。「こんなナチュラルもあるんだ」と、新たな魅力を感じていただけるコーヒーです。
【オンラインストア担当者のおすすめ】
エチオピア ウォルカのナチュラルをあじわう
最後に、初めての方にもナチュラルファンの方にもおすすめしたいのがエチオピア【ウォルカ】のナチュラルです。今回は3種類の集落指定ロットのナチュラルを同時に販売いたします。正直、これだけでも特集を組みたいほどの魅力を備えています。堀口珈琲の探求心が結実したウォルカの詳細は前回の特集記事(Worka!【ウォルカ】の止まらない魅力)をぜひご覧ください。
クレイウォットはナチュラルとは思えないほどの瑞々しい果実味や上品さを、ハロ・ハディはベリー系の果実や洋酒のニュアンスを感じさせる妖艶さを、アダメ・マゾリョはシルキーな質感に熟成された赤ワインの様な複雑さを。同じ国の同じ地域でありながら、それぞれの集落のコーヒーがもつ明確な個性を、ぜひナチュラルでも感じていただきたいと思います。この3種のコーヒーを前にすると「ナチュラルらしい風味」と一括りにはできない奥深さを実感します。はじめての方にはどれか1種類でも体感していただきたですし、ナチュラルファンの皆様にはこの機会にぜひ複数種類の飲み比べを楽しんでみてください。
- 5
-
さいごに
いかがでしたでしょうか。
新しい発見や驚きを感じていただけるようなコーヒーとの出会いの機会になれば幸いです。
ナチュラル精製の工程など、さらに詳しくまとめた記事を公開しましたので、もっと詳しく知りたいというマニアックな方は是非こちらの記事もご参照ください。
>>ナチュラル精製について詳しく知る:オウンドメディア記事「【保存版】ナチュラル精製のコーヒーをわかりやすく解説」